今から2年ほど前のことですが,僕のアパートに自称ボランティア団体の男がやってきました.イラク戦争で被災した子供たちを救うため,署名の上募金をしてくれというのです.「近所の人はみんな募金をしてくれました」言う男の手元には署名リストがあり,そこには確かに知っている名前がありました.特に表札などかかっていないので,男の言葉に嘘はなさそうでした.
リストには募金額も記されてあり,だいたい1000円が平均の額でした.だけど見ず知らずの怪しいヤツに1000円もくれてやる気にならなかったので,ちょうど財布にあった500円玉を渡しました.それでその日は終わりました.しかしそれから2日後,彼は再び僕のアパートを訪ねてきました.この日は居留守を使って回避したんですが,また2日後くらいに訪ねてきたんです.とにかく「募金をしてくれ」の一点張りでした.
男は「我々の団体は北海道でも有名で,この前北海道新聞(道新)にも載ったんだ」などと自慢げに話していましたが,証拠の新聞は見せてくれませんでした.僕も道新は読んでいないので「へ~そうですか」くらいしか言えません.だけど確実に一つだけ言えることがあったので,それを言ってやりました.「あなたのやっていることは募金活動じゃありませんよ」と.
善意と良識のあるボランティア団体が,週に2回も3回も個人宅を訪れて「募金しろ(金を払え!)」などと取り立て屋まがいのことをするでしょうか.しかもその額は1000円~3000円.学生が(学生じゃなくても)見ず知らずの怪しい男に週9000円,月になおせば3万6千円も払えるわけがありません.思い切って警察へ通報してやろうかと思ったんですが,ちょっと強く言ったらすごすごと帰って行ったので思いとどまりました.1週間後に別のアパートへ引っ越すことが決まっていたのも,通報を思いとどまらせた理由の一つだと思います.
僕の被害総額は500円でした.でもこれの10倍から100倍の被害を被っている”気のいい人”もいるかもしれません.また,ちょっと違った見方をすると,こういったアホな偽ボランティア団体による被害は,本当に良識ある活動をしているボランティア団体にも及んでいると思われます.募金詐欺のニュースは「募金活動=悪」「募金や署名になんか関わらない方が良い」という固定観念を人々に植え付けますからねぇ.
TV「世にも奇妙な物語」だったと思いますが,ある反社会派の署名活動に友人と共に協力したら,その友人たちが次々と変死していき,最終的には自分も命を狙われる,みたいなドラマを見たことがあります.しかも友人たちを変死させ,なおかつ主人公本人の命も狙った犯人は警察でした.国家ぐるみで反社会派団体を消すという計画で.もちろんこれはフィクションなんですが,「そんなことあるはずないよ!」と心から笑える話でもないように感じます.
募金詐欺なんて都会だけの話かと思っていましたが,そんなことはないんですね.むしろ素朴な地方の人々が恰好の標的なのかもしれません.人を疑ってばかりいると楽しいつきあいはできませんが,少なくとも初対面の人には慎重に接するべきかもしれません.僕は今アパートで一人暮らしですが,インターフォンが鳴っても滅多に出ないことにしています.荷物が届くときなどは予め分かりますしね.仮に不意の荷物だったとしても,後から再配達をお願いすればいいですし.くだらない勧誘ならまだいいですが,命を狙われるようなことになったら最悪です.居留守は効果的に使うべきかと思います.
募金集団の男ら取り調べ 偽求人広告で学生雇う
大阪市内などで昨年、民間非営利団体(NPO)を名乗るグループが虚偽の求人広告でアルバイトを雇い街頭募金を集めさせたとして、大阪府警捜査2課は31日、職業安定法違反容疑で、グループを主催する男(34)=大阪市阿倍野区=と代表の男(60)=大阪府堺市=の取り調べを始めた。容疑が固まり次第逮捕する方針。
グループは「NPO緊急支援グループ」と名乗り、街角でそろいの黄緑色のジャンパーを着て“病気の子どもの支援”を訴えていた。しかし集めた金の使途や団体の連絡先が不明確なことから社会問題化し、年末に突然姿を消した。他の市民団体からも「名称がまぎらわしく、正しい募金活動が誤解を受ける」と苦情が上がっていた。
<関連リンク>
・募金詐欺に気をつけて
・闇の正体!善意の募金に重大疑惑
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