Dec 31, 2005

いま本当に必要な音楽はフォークソングである

北海道ではTBS系列の放送局で30日の23時45分から約2時間に渡り「青春のグラフィティコンサートinEXPO」が放送されました.これは愛知県で今年の3月25日から6ヶ月間開催された愛・地球博で行われたフォークライブです.谷村新司,堀内孝雄,イルカ,南こうせつ(かぐや姫),伊勢正三(かぐや姫・風),ばんばひろふみ,武田鉄矢(海援隊),森山良子,小室等(六文銭)などなど,豪華メンバーが出演しました.僕はアコースティックギターを弾くのですが,今から12年前にアコギを始めたきっかけは,フォークソングが好きで,それを弾き語りたかったからというものでした.当時僕は15歳でした.

1960年代,70年代のいわゆるフォークソングには秀逸なものが多々あります.メロディーや歌詞にはメッセージ性が強く潜在しており,心に訴えかけてくるものばかりです.最近の邦楽はリズム先行型のものが多いし,何より商業主義丸出しなので流行り廃りが激しいのです.場合によっては曲そのものはどうでもよくて,歌手の容姿だけでファンが殺到するという状況です.今年の紅白にノーブラで出場すると宣言した話題作りに必死な人がいい例でしょう.歌手なら,アーティストなら,歌で注目を集めればいいのに,そうゆう手段でしか注目を集める事ができないのです.「容姿だけで」という意味では,結成わずか1ヶ月で紅白出場を決めた兄ちゃん方にも同じ事が言えるでしょう.

フォークソングは30年,40年経った今でもなお歌われ続けています.その理由はたくさんあるだろうと思いますが,歌いやすいとか,歌詞やメロディーに強いメッセージ性を含んでいるため忘れられないとか,そういった理由もあると思います.これに対して,現在オリコン上位をにぎわす曲が40年後にも歌われ続けるだろうかと考えると,かなり微妙なものを感じるわけです.いま20代の人は40年後は60代です.60代になっても彼ら(彼女ら)は「わーたしさくらんぼー」とか歌っているでしょうか.もちろん歌っている人はゼロではないでしょう.しかし神田川が今もなお多くの人に歌われているのと比べたら,その数は無視できるほど少ないのではないかと思うのです.

イルカは「なごり雪」が有名ですが,僕が好きなのは「いつか冷たい雨が」という曲です.この曲は変わっていて,サビらしいものがありません.しかも歌詞がものすごくネガティブで暗いのです.しかし今の世の中に必要な曲だと思います.愛だの恋だのときれい事ばかりを並べた薄っぺらい最近の曲もいいですが,たまにはずっしりと訴えかけてくるフォークソングも若い人には聴いてほしいと思います.フォークソングの良さを理解するにはそれなりの理解力や知識が必要なわけで,アホには良さが分からないのが特徴ですから,昨今のJ-POPを聴くのと同じようなスタンスでは何も得るものはないだろうと思います.だからまずは過去の歴史に興味を持ったり,新聞を読んだりして,現代社会や政治を理解しようとする努力をしてほしいと思います.そして何らかの不満を抱いてほしいのです.なぜなら,その不満こそがフォークソングの魂だと僕は思うからです.理解無くして不満は生まれません.理解せざる者は不満を抱く権利を持たないのです.逆に今の世の中に不満を抱いている人は是非フォークソングを聴いてください.その曲が今から40年以上前に作られたものであっても,現代においても不思議と的を射ていることに気づくはずです.

吉田拓郎は言いました.

「古い船には新しい水夫が乗り込んで行くだろう.古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう.なぜなら古い船も新しい船のように新しい海へ出る.古い水夫は知っているのさ.新しい海の怖さを」

このメッセージに励まされ,またこのメッセージを教訓に思い,我々は現代社会を生き抜いていかねばならないのです.ちなみに「イメージの詩」は吉田拓郎のデビュー曲であり,発表されたのは今から35年も前のことです.

■ベストドリーミン・コンサート 2000(かぐや姫)


■’82日本武道館コンサート 王様達のハイキング(吉田拓郎)


■伝説のフォークライブシリーズ VOL.1<ディレクターズカット版>



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