ハードロッカーという直球すぎる代名詞をあえて投げつけたいグループ「筋肉少女帯」が,8年間の沈黙を破りついに完全復活仲直りです.昨年末の復活ライブを収録したDVD「中野サンプラザ復活ライブDVD“THE・仲直り!復活!筋肉少女帯~サーカス団パノラマ島へ帰る '06~”」は,二時間ドラマもビックリなそのタイトルの長さからしてもまさにロック.大槻ケンヂはBARKSのインタビューで「ライヴをやりながら筋肉少女帯で使う”筋肉”を思い出したのは面白かった」などと,ファンの心をくすぐるコメントをしており泣かせます.また,同氏は年齢についても意味深い言及をしています.
大槻:前の筋肉少女帯っていうのは、20代っていう、将来的なものが見えないすごく不安な時期にやっていたんですよね。でも筋少は武道館を単独で4回もやったり、今にして思えば恵まれていたなあ。でも、個人的には常に“この先どうなるんだろう”っていう不安があった。で、40才になったいまとしては“もうなんでもいいでしょ”っていう(笑)。そういう意味での将来的な不安っていうのはないから……。今度そういう不安っていうと老後ですから(笑)。だから、今のこの筋肉少女帯っていう場を楽しんだほうが得だよな、というような気持ちがありますね。そっちにしましょう! 老後も大丈夫!! 「じいさんはいい塩梅」っていうことで、こう。
このことは,「もし20代で先が見えるような安定した環境の中で活動していたとしたら,今の俺たちは(復活は)無いだろうな」と言っているようにも読み取れます.若くして将来が見えてしまう職業というのは限られてくると思いますが,そうゆう職業に就いた人は精神的・経済的安定を早くして得られる一方,人間的な面では退屈で,未成熟な形成をするにとどまるような気がします.そのような人がクリエイティブな仕事を職としているなら致命傷で,とにかくつまらない作品が生まれそうです.もちろんこれは一般論で,例外はあるでしょうけどね.
若い頃に抱える不安(勉強,就職,仕事,結婚など)と,40代,50代で抱える不安(老後?)はそもそも内容や質が違うし,不安への対処についても,歳を取ってからの方が深い考察が可能ですから(一般的にはね),やっぱり両者を対等に比較することはできないと思います.大槻さんが「もうなんでもいいでしょ」と割り切った発言をしている背景には,このような「成長」があるのだと思います.
筋肉少女帯は本当の意味で大人になったようです.確かに,不安定な基礎の上で繰り広げられる不安定なロックも面白いです.しかしそれは若者に任せておけばいいのです.筋肉少女帯は,彼らがこれまでに作り上げてきた人間的な安定の上で,更に磨きをかけた不安定なパフォーマンスを表現してくれるのだから,我々ファンは素直にそれを楽しませてもらえばいいのだと思います.まるで往年のQUEENの如く,ジャンル分けが困難なほどの厚みを持ったジャパニーズ・ハードロックは本当に貴重な存在なのですから.
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