Jul 24, 2006

シャア専用ズゴックの一撃に沈むジムに習うPLMのあり方

ITmediaの製品ライフサイクル管理(PLM::Product Lifecycle Management)の特集がなかなか面白いです.PLMについてはこちらが詳しいですが,要するに「製品の企画,生産,販売,終了を総合的に無駄なく効率よくこなそう」という企業側の概念です.これを追求すると「売れるモノだけを作ろう」という結論に達するらしいのですが,本当にそれでいいのだろうかと僕なんかは思ってしまうのでした.なぜなら,第一にこの概念は非常に無機質に感じます.製品を購入する人間をなんだと思っているのか,という不信感も覚えますし,「売れないモノがあるから売れるモノもあるんじゃないのか」という疑問や,面白味のなさも感じるのです.

このPLMに対する無機質な感じについて,ITmediaは「シャア専用ズゴックの一撃に沈むジム」を例に論じており,これがなかなか面白いのです.

要約するとこうです.ジムはモビルスーツとしては特別な力をもっておらず,存在的には捨て駒のようなもの.しかし一年戦争において,自らの弱さを顧みることも,目の前の敵が強敵でも逃げ出すこともせず,大義を果たすためにただ戦おうとする姿に見る者は潔さと美しさを感じるため,量産型であるにも関わらず,ジムに無機質な印象をあまり抱くことはないというのです.また,見る者はアムロやシャアのような特別な存在に憧れる一方で,まるで実社会における自分を見ているかのように思えるジムに感情移入してしまうため,ジムが無機質な存在には思えなくなるのだ,とも分析しています.

現実を忘れるくらい熱中してアニメを見ていても,登場キャラクターと自分をついつい照らし合わせてしまう辺りが悲しいですが,それは割とよくあることだと思います.こう言われると,ジムもザクも無機質な存在に思えない理由が何となく見えてきます.PLMによって製造・販売される商品にも,ジムやザクが持っているような魅力が宿ればいいですが,そこはマーケティングに大きく依存するところで,難しいのだと思います.「単なる電化製品なんだけど,どうも愛着がわいて仕方がない」と顧客に言わしめる製品が誕生しないと,PLMという概念は本当に冷酷で退屈な概念で終わってしまいます.製品を製造する人間と,その製品を手にする人間がいるわけですから,製品自体が無機質であっても,結局は人間同士の繋がり(有機質な繋がり)があるわけです.その辺りが意識された,優れた製品が世にはびこればいいと思います.そこに日本独自の機能やデザインが盛り込まれていれば言うことなしです.

シャア専用ズゴックの一撃に沈むジムはなぜ美しいのか (1/3)

「モジュール化された製品だから無機質である」という結論にたどり着くのは必ずしも適切でないことをシャア専用ズゴックの一撃に沈むジムは教えてくれた。




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