昔を振り返って「あの頃はよかった」と懐かしむのは,何とも年寄り臭いしネガティブな印象があるので,「ネットの事に限らずそういった行為が僕は大好きである」ということはあまり口外しないことにしています.ですがテレホ時代のネットを懐かしむ声に思わず共感してしまった結果,エントリを書きたくなったのでした.あの頃のネットは今より確実に不便であったものの,今より確実に楽しかった気がします.僕はパソコン通信の経験がないので,パソコンを使った作業に関して,それまでは自分のパソコンというローカルな環境に閉じていたのですが,それがネットによって一気に開き,半無限に広がる新しい世界に毎日触れることができる新鮮味を感じることができるようになったことが,ネットの楽しさを助長していたように思います.
僕が初めてウェブサイトを作ったのは1999年の終わり頃でした(今でも放置状態で残っていますが).実質テレホタイムでしかネット接続ができなかったことから,更新の機会は限られていました.それがフレッツの登場により劇的に変わり,いつでも更新作業が行えるようになりました.前述のリンク先では「常時接続が当たり前の時代になってから2chのクオリティが落ちた」という言及がありますが,それは何となく分かる気がします.当時に比べれば今のネット界は確実に進歩し,便利になり,ネット上に転がる情報量も半端じゃなく増えました.ですがその一方で,2chだけでなくネット全体のクオリティが落ちたと言えるのかもしれません.
ネット上の情報量を増やしながらクオリティを下げ続けている主な原因の一つがブログであることはほぼ間違いないでしょう.誰でも簡単に自分発の情報をネット上に公開できるのがブログの長所であり短所です.しかしどうしても短所の方が目立っている印象を得るのです.例えば,ニュースソースの全文コピペを淡々と繰り返すブログとか,ニュースソースや個人ブログのエントリに対して自分のコメントを10文字程度しか書かないブログの存在価値が僕は全く理解できないわけですが(開設するのは個人の自由なので別にいいんですけど),そういった類のものがネット上に数多く点在していることがノイズを増やしているように思えるのです(つまり一言で言えば迷惑なのです).ネットを支えるのは人間ですから,ネットのクオリティ低下の原因は人間のクオリティ低下にある,と言うこともできるのかもしれません.まあそういった意味では,まきこみ計画もネットのクオリティを下げることに寄与している可能性がありますけど.
少々話は飛びますが,はてブで話題のYouTubeの動画「三島由紀夫と東大全共闘の討論」を昨夜見ました.テレホ時代を懐かしむスレも昔という意味では同じですが,それよりも何よりも,この三島由紀夫と東大の学生とのやりとりを見たことで,今に生きる自分はもっとしっかりやらなければダメだな,と感化されたのでした.あそこまで自分の意見をしっかり持って,自分の言葉で主張することは今の僕には到底無理です.人の意見に耳を傾ける事も大事だけど,僕の場合は耳を傾けすぎるあまり自分の意見が無いに等しい状態ですから,もっとよく考え,自分のクオリティを高めたいと思うわけです.それが自分の生き方や人間性,ブログの文書にも反映されれば尚良しです.

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