マイボイスコムの調査によると,印象に残るビールのCMのトップはアサヒスーパードライなのだそうですが,個人的には一つもないと明言できます.ビールのCMは退屈なものばかりで,発泡酒や第三のビールのCMに比べて圧倒的に見劣りします.恐らく,ビールは高級感を出したいがために,CMのトーン(テンション)を低めに設定していることが地味な印象に寄与しているのだと思います.特にセンスが良いわけでもないし,流行語になるようなキーワードも含まれていない.変に狙いすぎて逆に暗中模索している.「あのCMって何のビールのCMだっけ?」みたいな,あやふやな記憶しか視聴者(消費者)に与えません.ただでさえ同じような商品がたくさんあるわけですから.
一方,淡麗グリーンラベル(発泡酒)やのどごし生(第三のビール)のCMは非常にインパクトがあり,CMと商品がしっかり結びつきます.全体的に第二・第三のビールのCMは,ビールのCMとは比較にならないほど,CMとしてのクオリティが高いです.これにより,視聴者は「あの発泡酒(または第三のビール)を今度買ってみようかな」と思うし,店頭で「あれ,どれだっけ?」と商品を忘れても,CMの映像(またはCMに出演している芸能人の顔や名前)を思い出し商品を選ぶことができるのです.本来,CMというのは視聴者の脳裏に商品をすり込むために存在するものなのに,ビールのCMには実質そういったものがないというのは大問題だと思うのです.だったらCMなんてやめて,多額のCM費用を商品価格に反映させ,5円でも10円でもビール1本あたりの単価を下げてくれた方がずっと消費者のためになります.
ところで全体的に印象のないビールのCMの中で,佐藤浩市による一番搾りのCMから得る印象は,低いレベル群の中において突出しています(つまり発泡酒などのCMに比べたらまだまだ見劣りするという意味).全国の名物をガンガン食べまくるバージョンは見ていて楽しいし,その結果「佐藤浩市=一番搾り」という等式が記憶されます.前述のグリーンラベルとのどごし生もキリンであることから,キリンはCM制作力が高いと言えるのかもしれません.発泡酒と第三のビールを含むビール類の総出荷量のシェアにおいて,キリンがアサヒを抜いて首位となったことの理由の一つには,CMによる影響も大いに含まれているはずです.
【ランキング・ランド】印象に残るビールCMは?
「収穫の秋」「味覚の秋」のお供に…と、ビールメーカー各社が製品の販売にしのぎを削っている。ネットリサーチのマイボイスコムがビールのCMについて調査した。
3カ月以内の視聴経験では「アサヒ スーパードライ」が48%で首位。これに「サッポロ ヱビス」「キリン 一番搾り」と定番ブランドが続いた。CM視聴経験者に対し、最も印象に残るCMを挙げてもらったところ、トップに輝いたのはキリンの秋限定ビール「秋味」。秋の味覚・サンマとの組み合わせが功を奏したようだ。
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