世界の国々を先進国と後進国に分けるとしたら,分け方に依りますが日本は科学や産業の面では先進国なのだろうと思います.これに対して中国やインドは後進国に分類されると思います.しかし両国を初めとするアジアの国々は近年急速な発展を遂げており,世界中が注目しています.後進国の発展は,基本的にはいろんな面でいいことなのだろうと思います.しかし現代における発展は,例えば日本が高度経済成長を遂げた時のような方法ではいけません.つまり環境やエネルギーなどの問題にも配慮しながら,成長を遂げる必要があるのです.当然これらに配慮すれば,それだけ余分なお金がかかります.しかしそのお金は決して「余分」ではないのです.ところが現在の中国を見ていると,そのお金は一様に「余分」扱いされており,とにかくお金が稼げれば手段は選ばないというような印象を受けます.例え日本や他の国が経済や技術の面で援助をしても,それが中国人だけで継続的に行われるかといえば,それは多分に疑問です.彼らの意識が変わらない限り現場が変わることはありません.しかし残念な事に,彼らの意識が変わる様子は全く見受けられません.
インドで格安の自動車が発売されるそうです.これが売り出されれば,現在0.7%程度の自動車普及率が上昇する可能性があるそうで,きっと人々の生活レベルも向上するのだと思います.これは非常にいいことで,日本でもこのような格安自動車が発売されればいいのに,と思うほどです(約25万円は安すぎ!).しかしそれには条件が付きます.いわゆる排ガス規制です.エネルギーの観点から言えば,燃費も気になるところです.今まで自動車に乗らなかった人々が自動車に乗るようになるということは,限りある資源をより多くの人々で分け合わなければならなくなる,ということに繋がるからです.排ガスだって,今までよりたくさん排出されるようになります.これらの諸問題に対してきちんとした対策を取らなければ,いくら自動車普及率が上昇して人々の暮らしが楽になったとしても,喜ばしいことではありません.
もちろんインドの人々に「自動車に乗るな!」と言っているのではありません.技術を持っている国は適切な方法で技術指導や経済援助をし,それを受ける側はちゃんと聞く耳を持って受け入れる体制を整えるという,言わば当たり前のことを実現させる必要があると思うのです.現代における基準をクリアしていない格安自動車なら,発売を見合わせてほしいと個人的には思います.それは地球のためにも,またインドという国の世界的な信用のためにも選択すべき道だと思いました.
それにしてもこのような問題を考察する上では,アメリカの存在に対して非常に不公平を感じます.これはもう”言わずもがな”ですから多くは書きませんが,彼らのしわ寄せが地球規模で環境へ悪影響を与え,また途上国の発展を妨げています.アメリカが京都議定書にサインをして,それをクリアするよう動いて,その一方で軽自動車を採用して,且つプリウスのようなエコカーを積極的に受け入れるようになるだけで,世の中はだいぶ変わると思うのです.日本の某一流自動車メーカーの会長は,「軽自動車の規格は日本だけだから,世界に目を向けて軽自動車を廃止すべきだ」というようなコメントを残し,我々の度肝を抜いてくれたのは記憶に新しいところですが,その反面,このような考え方の人間がまだまだ多いのだということを示唆する発言でもありました.日本は国レベルでは環境対策に取り組んでいる先進国ですが,国民レベルではまだまだ後進国なのかもしれません.だからインドの人々に偉そうなことは言えないのですが,昔の日本や現在の中国などと同じ過ちを犯してほしくないという意味で,格安自動車の販売に疑問を呈してみました.
インドのタタ自動車、25万円乗用車を発売へ・07―08年にも
インド有力財閥タタ・グループ傘下のタタ自動車は2007―08年にも1台10万ルピー(約25万円)の乗用車を発売する。ラタン・タタ会長が明らかにした。現在インドで販売している最も安い乗用車の半額程度で、大企業サラリーマンの平均年収を下回る。格安乗用車が売り出されれば、現在0.7%程度の自動車普及率が上昇する可能性がある。
<関連リンク>
・Tata Motors(タタ自動車,英語)
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