もしも縦横2メートルで厚さが0.2メートルの氷板が高さ2.5メートルの位置から落下したとすれば,そこで生まれるエネルギーは人間の命を奪うに十分な大きさなのです.氷の密度を900kg/m3とすれば,同氷板の重さは720kgにもなります.これは一昔前の(最近も?)軽自動車並の重さです.自由落下を考えれば落下速度は7m/s(25.2km/h)となり,あと少しで原付の法定速度に達するのです.ちなみに衝撃力は速さの2乗に比例します(速さが2倍なら衝撃力は4倍という意味).
屋根から落ちてきた雪に埋まって亡くなるケースは,落雪そのものの効果よりも生き埋めになった後で生じる窒息の効果が死亡への主たる原因なのだと思いますが,氷の場合は落氷そのものが原因であり,即死ではないかと思います.この時期は雪関係の事故,それから餅を喉に詰まらせて亡くなる事故を報じるニュースを毎日のように目にします.そのどれもが本当にもったいない死であり,失礼を承知で言えば意味のない死に方なのです.自分の意志で死んだわけではないし,病気でしょうがなく死んだわけでもない.その突発性はある種自損の交通事故に通ずるものがありますが,死ななくていいところで死んでしまうのは本当にもったいないし残念だし哀れです.未然に防ぐ方法が何かしらあったはずです.意味のある死に方は「運命」という定性的な表現を使うと自分では選ぶ事のできないものになってしまいます.しかし少なくとも意味のある死に方を手に入れようとする努力はできるはずです.変な宗教に頼れというのではありません.危機管理能力を磨いて僕も意味のある死に方をしたいと思いました.最後に,亡くなられた社長のご冥福をお祈りいたします.
観光用「氷のトンネル」崩れ、ホテル社長が死亡 長野
3日午前10時半ごろ、長野県茅野市北山の「蓼科パークホテル」敷地内で、観光用の氷のトンネルを整備していたホテル社長の篠原丈一さん(66)が、天井から崩れた氷の下敷きになり死亡した。
茅野署の調べによると、氷のトンネルは高さ約2.5メートル、幅約3メートル、長さ約100メートル。篠原さんが重機を使ってトンネル内で1人で作業していたところ、重機のアーム部分がトンネルの上部に当たり、天井が崩れたという。氷の厚さは約20センチだった。
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