今さら何を・・・という印象を大いに受けるわけですが,JSTが諫早湾の干拓事業を失敗百選に選んだのだそうです.約20年前の工事着工前から失策が危惧されていたのだし,97年に多くの矛盾をはらみつつ堤防が強制的に閉じられたときに,諫早湾事業の失敗は明らかなものになったのだから,失敗百選への選出は遅すぎると言って過言ではありません.農水省諫早湾干拓事務所は「農業面や防災面では高い評価を受けている」と,反論にもならない暢気なコメントをしているようですが,だったら最低限の礼儀として,諫早湾周辺に住む人の何割が同事業に高い評価を与えているのか,定量的に数字を示してほしいと思います.諫早湾の生態系,自然,環境,周辺住民の生活,心情など,本当に多くのものを破壊してまでやる必要がある農業あるいは防災事業だったのか疑問です.それに,そもそも公共事業とは公共の事業であるはずなのに,全く公共という言葉の意味から逸脱した事業であるように感じられる辺りが理解に苦しむところです.一言で,本事業が誰のための事業だったかを表すとすれば,バカな政治家と,公共事業に依存することでしか生きていけないニッチな会社が,主たる利益受給者として挙げられるのだと思います.一部の身勝手な人間の生活と諫早湾の自然環境.どちらが大切かなんて言わずもがなだと僕は思っていますが,このことをJSTははっきり証明してくれた気がします.ちなみに,本事業には莫大な税金が投入されているわけですが,これをすべて回収するには上手くいったと仮定しても100年ほどの時間を要するようです.まあ実際は100年経っても全く回収できないだろうと思いますけどね.まさに税金の無駄遣い.とりあえず,死んだ諫早湾に造成された農地の利用者がどれほど募るかが見物です.
諫早湾干拓、「失敗百選」に 文科省の外郭団体選定
国営諫早湾干拓事業(長崎)は、科学技術分野の歴史で重要な事故・失敗例として、文部科学省の外郭団体の科学技術振興機構(JST)がまとめた「失敗百選」に選ばれている。
JSTは、失敗から得られた知識や教訓を後世に生かすことを目的に「失敗知識データベース」を作成、インターネットで公開している。失敗百選は、そのなかでも特に「典型的な失敗例」とされる。
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