Jan 03, 2006

看護師という資格に求めたい理想と現実とこれから

看護師になるためには勉強して試験に合格せねばなりません.しかし言い方を変えれば資格さえ得れば誰でも看護師になれるのです.筆記試験だけでなく実技やそれなりの面接試験もあるでしょうが,そこで不適合と判断され落第する者が多いとは思えません.実際に外来で病院へ行ったり,また入院すると分かりますが,一口に看護師といっても頼りがいのある人とそうでない人とか,信用できる人とそうでない人という違いが如実に感じられるのです.また人が傷つくような言葉を平気で発する人もいます(態度もしかり).大病院では生死をさまよう患者がたくさんいて,看護師は毎日のように死に直面しています.しかしこれから死を迎えようとしている者の家族や親類・知人というのは看護師たちほど死に慣れていません.ここで温度差が生じるのです.看護師からすればいちいち同情していては仕事にならないという言い分だろうと思います.ですが家族側は看護師に同情してもらって当たり前という認識を持っているのです.看護師たちが忙しい仕事の中で死にゆく者をもつ家族にどれだけ同情できるか.また配慮できるか.このさじ加減をうまくコントロールできるか否かの能力を看護師の試験で的確に問うのは難しいでしょう.しかし患者側からすれば的確に問うてほしい点であります.これを解決するために,例えば国会試験に合格してから3年間は適正を判断する期間というふうにすればいいのではないかと思いますがどうでしょうか.

ところが看護師は全国的に数が足りない状況です.今後は少子高齢化に伴いますます看護師が求められるようになるでしょう.そのような現況において,看護師の人間的な適正までを判断している暇はないのかもしれません.ある一定レベルの試験に合格すれば看護師になれるという現行の制度がいつまでも保たれそうです.いやそれならまだよくて,現行のレベルや制度が緩和される可能性も多々あり,先が思いやられるのです.数が少ないから増やせばいいという考え方は間違っていないと思います.しかし組織のレベルを保ったまま数を増やすというのは激しく難しい事です.一つには給料を高額にして優秀な人材を多く集める作戦が考えられますが,今の政府では期待できないことですから現実的ではありません.原因が多少異なりますが,このことは数が少ないという点では弁護士や裁判官にもいえることです.数が少ないから一人あたりの仕事が猛烈に増える.そうなると処理が遅くなるか手抜きが生じるようになる.これはもう分かり切っている事です.そしてそうゆう状況が何十年も続いてきました.自然に解決する問題ではありませんから,看護師の件に関しては潜在職員の職場復帰とは別に,ここら辺で一つまじめに考えねばならないのだと思います.

2010年の看護職員、なお1万5900人不足

看護師や助産師など看護職員について、将来の必要数などの計画を策定する厚生労働省の検討会(座長=宮武剛・埼玉県立大教授)が、06~10年の需給見通しをまとめた。06年は4万人以上の職員が足りず、その後、需給差は縮まるものの10年になっても1万5900人が不足するとしている。検討会は、資格を持ちながら結婚や出産などで仕事を離れた人の再就職を支援する施策の充実などを求めている。

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