Sep 02, 2005

着々と進行するコンビニ業界の構造改革

コンビニ業界最大手のセブンイレブン・ジャパンが1日,イトーヨーカ堂などと持ち株会社「セブン&アイ・ホールディングス」の傘下に入ったことで,コンビニ業界が面白くなりそうです.また米セブンイレブンを完全子会社化すべく,セブンイレブン・ジャパンは米市場におけるTOBも決めたそうですから,世界規模で日本が中心となったコンビニ改革が成される可能性が出てきました.日本経済はあまり元気のない状態が続いていますが,少なくともコンビニだけは例外のようです.

具体的な変化としては,ペットボトルの値下げがすでに決定したそうです.今月3日よりセブンイレブンはペットボトルの販売価格を22円値下げします(147円から125円へ).しかしすべての商品ではなく,まずは「おーいお茶」や「コカ・コーラ」など,よく売れている7商品が対象となるようです.セブンイレブンが値下げをするということは,つまり価格競争が生じるということですから,他のコンビニも値下げを行うだろうということは容易に想像がつきます.とりあえずペットボトルからスタートしますが,他の商品にも値下げが施されるようになれば,各コンビニ間における本格的な価格再編が期待できます.これによって店舗あるいは企業自体が淘汰されるような事態になるかもしれませんが,我々消費者にとってはあまり心配の種にはならないでしょう.24時間営業の大手スーパーやドラッグストアで500mlのペットボトル飲料が100円前後で買える今,コンビニの定価神話はむしろ異常であると思うからです.缶コーヒーが120円なら,それは自販機で買えますから.

「脱定価」はイトーヨーカ堂との共同仕入れを行うことで実現したのだそうです.これまではセブンイレブンが定価販売であったため,定価販売でないヨーカ堂の仕入れ価格より高い値で取引が行われていました.定価販売のセブンイレブンへの納入は,飲料メーカーにとって利益率が高いため,「セブンイレブンが自分の利益を削って値下げするのは自由だが,仕入れ価格の引き下げは拒否する」メーカーもあるのだそうです.しかし全国に約1万1000店舗を持つセブンイレブンの影響力は非常に大きく,同社の要請を拒否し続けることは大きな販売経路を失うことにも繋がるため,いつまでも拒否し続けるわけにはいかないでしょう.セブンイレブンを巡って,あらゆる物流や経済の流れが大きく変わろうとしています.なかなか上手い展開を見せない政界とは違い,コンビニ業界の構造改革は着々と進行しているのです.

[セブン―イレブン]「脱定価」検討 他のコンビニに影響も

セブン―イレブン・ジャパンが1日、イトーヨーカ堂などと持ち株会社の傘下に入ったことを契機に、ペットボトル飲料などの値下げ販売を検討していることが明らかになった。コンビニは「定価販売」が当たり前だが、最大手のセブンが「脱定価」に踏み切れば、業界常識が転換する可能性もあり、他コンビニへの影響も必至だ。

<追記>(05,9/3,1:26)
TBいただいたこちらのエントリーでは,価格競争の末に既存店舗が減少し,それによってコンビニがコンビニエンスでなくなる可能性が示唆されていて面白いと思いました.脱定価販売(コンビニ間における価格競争)によって自宅近くのコンビニがなくなるくらいなら,商品が定価であってもいいのかもしれません.僕はコンビニ業界の構造改革が着々と進んでいると書きましたが,この辺りに一つ山があるのだと思いました.


Posted at 18:53 in 主に時事ニュース | Permalink | No Comment | | edit

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