Oct 10, 2006

エアギターがシャドウギターではないワケ

シャドウボクシングとは,架空の相手に向かい実質一人でボクシングすることを言います.正しい語源は分かりませんが,シャドウ(shadow)という単語には「影」や「人影」という意味があるため,これが根底にあるのかもしれません.一方,エアギターとは「実際には存在しない架空のギター」のことです.今のところは「エアギターという架空の楽器を弾く行為」もエアギターと呼ばれています.このことから,リアルなギターを弾く人がギタリストと呼ばれるように,エアギターを弾く人はエアギタリストと呼ばれるのです.もしエアギターを弾く行為が別の言葉で表されるとしたら,例えばダイノジのおおちが優勝した「エアギター世界選手権」という大会は,エアギターその物の品評会(つまり楽器の品評会・展示会)のようなニュアンスになってしまいます(スペースアルク(英辞郎)の英和検索が秀逸です.Wikipediaも).

前述の通り,シャドウ(shadow)には人物を思わせる意味合いが込められているため,シャドウボクシングの他にもシャドウダンスと言って,自分の影とダンスを踊ることを示す言葉が存在します.極めつけはシャドウセックス.ネット上の情報が錯綜していて結局真相がよく分からないのですが,92年に放送された「そっとテロリスト」か,94年の「完全人体張本」において,パントマイムで有名ななかむらゆうじ氏がこれを行っていたという情報が有力なようです(例えば,1,2).

「シャドウ**」が人間(有機物)を対象にした何か(ボクシングとかダンスとか)に使われるもので,「エア**」が無機物(ギターとかスクラッチとか)に使われるものだとすれば,杉作J太郎氏が提唱している「エアセックス」は成り立たないことになります.ですが「シャドウ」が頭に付く言葉でも無機物を対象にしたものがたくさんあるので,ここでは以下の2つに「シャドウ**」と「エア**」の違い(使い分け)を定義してみたいと思うのです.

1.「シャドウ**」は20世紀の用語.「エア**」は21世紀の用語.
2.「シャドウ**」はこっそりと.「エア**」は人前で.

シャドウボクシングの大会というのは恐らくないわけで,あくまでも練習の一つなのです.つまりシャドウボクシングと試合でやるボクシングを比べた時,後者の方が明らかに多くの人目にさらされます.シャドウダンスも同じです(なかむらゆうじ氏によって行われたと言われるシャドウセックスがもし本当ならばこれと見事に矛盾しますが,20世紀の出来事なので21世紀の現在においては矛盾しないと強引に考えることができるわけです).これに対してエアギターやエアスクラッチは大会ですから,当然多くの人の前で行われます.エアギターをこっそりやるというのは通常あり得ません.ですがもし自宅でこっそりと一人でエアギターをやることがあるとすれば,その行為はシャドウギターと言うべきだと思います(正確にはエアギターを用いたシャドウギター).この定義にしたがえば,本番の大会に備えたエアギターの練習もシャドウギターになります(一人で練習する場合).用例としては「日々のシャドウギターの積み重ねが,エアギター世界選手権で優勝する一番の近道だぜ」みたいなものが挙げられるわけです.

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