居酒屋でビールを飲むとき,中ジョッキで生ビールもいいのですが,瓶ビールでチビチビやるのも好きです.1合入るか入らないかの小さなグラスにビールを注ぐ手間は何とも趣があります.しかしこの趣は1人,もしくは2,3人のグループで飲んでいる時に限って感じられるもので,それ以上の人数になると単に面倒な作業へと変わるのです.特にあまり親しくない目上の人と同席した時は大変です.相手のグラスが空いていないかを常に気にしながら飲まねばならないからです.
ビールの場合はガラス製のグラスであることが多いためまだいいのですが,熱燗となるとさらに面倒なことになります.お猪口が透明ではないため,まだお酒が入っている状態なのか空の状態なのかが分かりません.まだお酒が入っている状態でお酌を勧めれば相手を急かす恰好になるし,その逆だと相手を待たせることになります.目上の人が「今日は手酌で行こう」と宣言してくれれば楽なのですが,注いだり注がれたりが好きな人は,世間一般に見てどうも多いようなのです.ちなみに自分が目上の人の立場になったときは,「手酌宣言」をするようにしています.どうしても後輩や同僚にお酌をされたいという寂しい先輩方は,せめてこんなアイテムを持参して頂きたいものです.
南極では日本人同士であっても手酌が当たり前なのだという噂を聞いたことがあります.これはお酒の量が限られているためです.酒好きにとっては,あまり酒が好きでない人に半強制的にお酒を注いで残されることが,つまり自分の首を絞めていることに繋がるからです.「飲みたい奴だけが自分のペースで飲めばいい」.これが南極のルールだそうです.これは本来であれば南極に限らず,日本の社会においても普及すべきルールなのだと思います.日本に根強く残る奇妙な「ノミュニケーション(飲ムニケーション)」は,今後淘汰されて然るべきだと僕は思っています.アルハラ(アルコール・ハラスメント)という言葉もありますし.喫煙と並び,時代遅れの象徴というイメージが僕の中では強いです.
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