Jun 21, 2005

ヨタマックのカロリーは25kgの氷塊を融かす!

大学の研究上,このような問題を解く機会がたまにあるのです.

■「50℃のお湯200ccに-4℃の雪(氷でも可)を20g入れた時,お湯は何℃になるか?」

お湯は完全に断熱された状態を仮定し,お湯と雪との熱交換は完全に行われるものとします.また雪(氷)の比熱は0.530[cal/gK](or 2220[J/kgK])とします.

これは簡単な四則計算(熱量計算)で解けるのですが,みなさんお分かりでしょうか.しかしもし解けなくても,日常生活で困ることは皆無と言っていいでしょうね.露天風呂が熱すぎるからと言って「周囲の雪を何kg湯船に投入すればいいか」なんてことをいちいち計算する人はいないでしょうし,熱いコーヒーに何gの氷を入れればアイスコーヒーになるかを計算する人もいないと思うからです.そんなものは「ちょうどよくなるまで雪や氷を入れればいい」わけで,正確な計算など必要ないのです.

ところが食べ物の分野では,熱量計算はとても身近な存在です.「1日当たり何キロカロリーまでに抑えなきゃ」などと気にしている人は結構いるのではないでしょうか.でも1カロリーが一体どれくらいの熱量なのかを把握している人は少ないと思います(そこまで把握する必要がないのかもしれませんが).1calは1gの水の温度を1℃上げるために必要な熱量です.これを氷から水への相変化で表すと,1000kcalとは0℃の氷12.6kgをすべて0℃の水に変えるだけの熱量です.12.6kgの氷といったら牛乳パック約12本分の氷ですから相当な量ですね.2000kcalだったら当然これの倍になります.

肥満が社会問題になっている米国では,ハンバーガーなどファストフードの高カロリー化が進んでいるそうです.食事制約を伴うヘルシー志向への不満が背景とみられるそうですが,何というか・・・アホですw.例えばCKEレストランが昨年末に発売した「怪物バーガー」は,パンに150gのビーフパテを2枚,チーズ3枚,ベーコン4切れを挟み,マヨネーズをたっぷり付けた厚さ10cmの巨大バーガーで,熱量は「ビッグマック」(マクドナルド)の倍以上の1420kcalだそうです.ファストフードの高カロリー化に対しては「心臓疾患や脳梗塞の危険を高める」との批判もある中,「これぞアメリカ的」とたたえる手紙も寄せられているそうですw.まあこちらの知ったことではないのですが,読んでいるだけで気持ちが悪くなってくるのは確かです(2090kcalのヨタマックは笑えるけどw).

ところで我々の研究の分野ではcalという単位を今は使わず,代わりにジュールを使うことになっています.いわゆる国際単位系というやつで,1[cal]=4.1860[J]と決まっています.食べ物の分野(栄養学の分野)では未だにカロリーが使われていて,しかも1cal=1kcalみたいな使われ方がされていますが,もしこれがジュールに置き換わったら「なんとなくカッコイイだろうな」という印象を受けます.でも「このパフェおいしそうだけどぉ~1250キロジュールかぁ」みたいな女子高生の会話が街角で聞こえてきたら,それはそれでちょっと嫌かなとも思いますがね.「カロリー」というかわいらしい響きは何とも憎めない感じです.比較的かわいらしい発音をする(と僕は思っている)「ら行」の文字が2つも入っていますしね.「だからカロリーを気にしつつも高カロリーの食べ物とは絶交できないのかな」などと訳の分からないことを考えつつ,今日もポテチを食べるのでした.

ちなみに冒頭の問の答えは14.5℃が正解だと思っています(思い込んでいますw).もし間違っていれば,間違っている箇所と共に訂正を入れてください.


Posted at 00:43 in 主張・考察・その他 | Permalink | No Comment | | edit

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