Dec 18, 2005
激安賃金で生産される理不尽なコーヒー(豆)
コーヒー1杯に500円は明らかに高いと思うわけです.しかし新宿のとある喫茶店で600円を支払ったことがあります.特別美味しいわけでもなく,逆に香りも少ないし味も薄かったのですが,そのお店は1杯600円という価格設定だったのです(注文してから気づきましたorz...).新宿という場所代がコーヒーの値段に反映されているというのもあるでしょう.しかしそんなのはお客からすれば知ったことではなくて,それどころかいい迷惑なのです.
僕の海外経験は微々たるものですが,その経験から言うと日本のコーヒーは明らかに高いと思います.これは「新宿だから高い」というのではなくて,例えば札幌でも高いと思ったし,福岡でも高いと思いました.しかも美味しいものが少ない.スターバックスの方がずっとマシなコーヒーが飲めるのです(スタバも決して安いとは思いませんが).それにしてもどうして国内のコーヒー相場はこうも高いのでしょうか.僕からすればコーヒーというのは付加価値を付けるべきものではないと思うのです.それとも価格設定を高めにすることで,喫茶店側に何かメリットがあるのでしょうか.どうも分からないからくりです.
コーヒー産地で有名な東南アジアや南米などのコーヒー農場で働く人々は,非常に安い賃金で労働しているのです.それは昔,黒人の奴隷たちがほぼ無給でコーヒー栽培を強いられた経緯があるからで,その悪き伝統が今もなお引き継がれているからなのだと思います.そんな彼らは自分たちが作ったコーヒーが日本で1杯あたり600円で販売されていることなど知らないと思いますが,もし知ったらどう思うでしょうか.バカらしくなってコーヒー栽培をやめてしまうかもしれませんね.
コーヒーに限らず,生産者と受給者は持ちつ持たれつの関係で成り立っているはずです.しかしコーヒーに限っては両者間に対等な関係が築かれていないように思うのです.隠れたコーヒー大国ベトナムも例外ではなく,平均的なコーヒー農家の月収は現在約100万ドン(1万ドン=約75円)で,しかも数年前はその3分の1だったそうです.ベトナムにおける物価の相場を考えたとしても,100万ドン/月は安すぎます.日本を初めとする各国はコーヒー生産者にもっと敬意を払うべきで,その一つの表現方法として経済的援助を行うべきだと思うのです.缶コーヒーは今や日本の文化と言える製品だと思うのですが,そうゆうすばらしい製品を製造している大企業が音頭を取ればいいと思います(例えば).
ところが各国がそうやって経済援助をすると,コーヒー豆の品質が均一化されてしまい,且つ豆の種類も売れないものが淘汰されてしまうという心配があるのです.以下は僕がよく行くお店のマスターの受け売りですが,均一化された豆というのは味に面白味がなく,最悪もないけど最高もないのだそうです.お店によってはこれをよしとするところもあるそうですが,マスターはあまりよく思っていないようでした.僕もこの話を聞いてよいことだとは思いませんでした.豆の均一化は,お店にとっては損害につながる最悪な豆を買い付けてしまう確率が軽減されるのでよいのでしょうが,商売を考えておらず,しかも少し変わった僕のようなお客からすれば,半永久的にほとんど変化のないコーヒー豆しか購入できないというのは退屈なのです.「今回の豆は最高.焙煎もうまくいったから飲んでみて」というのが楽しいし,逆に「今回は最悪だからよかったら飲んでみて」というのもまた楽しいのです.「世界中どこでもいつも同じ味」はスタバを初めとするチェーン店で楽しめますからね.
余談ですが,こういった均一化を擬人化すると,昨今の日本の教育に通ずるものを感じます.個人の学力や個性といった能力を無視して全員に同じレベルの教育を同じ方法で施す.そして同じレベルの人間を量産する.その先に待っているものは一体何でしょうか.いい加減に気づいてもよさそうなものですが,気づく気配を全く見せない政府.まあ耐震強度偽装問題とかの方がプライオリティが高いですから仕方ないんですかね.コーヒー業界はこれを見習って,同じ失敗をしてほしくないと切に思います.
※ちなみにマスターのような個人でやっている焙煎店でも,常に変わらぬ味を提供する必要はあるのです(喫茶店などに卸しているわけで,味が極端に変わったら問題ですから).しかしそういった路線の豆とは別に,楽しめるコーヒー豆を提供してくださっているのがマスターです.そうゆう意味で上記文章を書きました.
ブランド化、模索中 隠れたコーヒー大国ベトナム
ベトナムがブラジルに次ぐ世界第2のコーヒー輸出大国であることは、あまり知られていない。生産の本格化はベトナム戦争後と歴史が比較的浅く、インスタントコーヒーなど加工用が多いからだ。ただ、輸出が急増したため、他の生産国から「国際価格暴落の元凶」と激しい批判にさらされた。そんな中でカフェチェーンを大規模に展開する新手のコーヒー企業が現れ、「ベトナムコーヒー」の品質向上とブランド確立の旗を振っている。
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