May 08, 2005

「博士が100人いるむら」を読んで

「世界がもし100人の村だったら」という本が数年前から流行っていますが,僕はどうもこの手の本が好きになれません.話が極端すぎて,読んでいるうちにアホらしくなってくるからです.しかしネットで見つけた「博士が100人いるむら」にはだいぶ共感してしまいました.この創作童話の作者が何者かはわかりませんが,この分野に精通した人であることは間違いなさそうです.平仮名ばかりでとても読みにくいですがw,よかったらご覧ください.

博士の学位取得を目指す者として,この創作童話は面白い反面とても怖いです.まったくその通りなので・・・.今の日本は(日本だけじゃないかもしれませんが)博士が溢れかえっていますからね.実力のない者が淘汰されるのは当たり前ですが,実力があってもコネクションや運がないために淘汰されてしまうケースも多々あります.数十年前は「末は博士か大臣か」なんて言われたようですが,今では博士号などほとんど意味を持ちません.運転免許証がないと車の運転ができないのと同じで,博士号がないと研究職に就けない.博士号なんて研究職に就くための免許のような位置づけでしかありませんから.研究職で飯を食っていくなら持っていて当たり前の時代です.

高い金を払い続けて学部・修士・博士の課程を終え,結構なストレスを感じながらやっと学位を取得したのに,待っているのは無職の道.これが一般論とは言いませんが,決して珍しいケースの話ではありません.こんなんだから自殺者が増えても納得です.

これからの時代,ある研究テーマで学位を取得したからと言って,それに執着し続けることが必ずしも良いことではないのだと思います.博士号取得のために歩んだ道のりの途中で得た知識を半分でも生かせる職業に就けたなら,それでもう満足すべきだと思います.その知識というのが,自分の研究に関する付加価値的なものであっても良いと思います(例えばプログラムの知識とか文章の書き方とか).僕なんかだと,30歳近くまで自分の好きなことをやってきたわけだから,今さらやりたくない仕事を無理にやる気も起きないというのが正直なところです.だったらそうゆう道を自分で探せばいいだけの話.

自分の専門を生かすということは,そうゆう職業に就ければ簡単な事です.でもそのような機会が非常に少ないのが現状です.だから自分の専門を生かすということよりも,学位取得までに得た付加価値的な知識をいかに上手く生かせるかという事の方が,今後多くの博士号取得者に必要な能力になってくるんだと思います.少なくとも僕はそうゆう考えです.


Posted at 03:17 in 主張・考察・その他 | Permalink | 5 Comments | | edit

Comments

TBさんくす

我が身の問題だと大変ですね。

私も大学で専攻した道とは大きく外れた現場で仕事していて、結局大学でアレだけがんばったことは全く生かせてません。
これなら専門学校に通っていたほうがどれだけましかと思う今日この頃。
学問よりも手に職の方が良かったなぁとか思ったりしています。

Posted by mine at 2005/05/08 (Sun) 08:54:51

あぅあぅ。

残り8人はないけどそれ以外の可能性はどっこいどっこいだなぁ。
転職濃厚ですが、問題は免許を取っておくかすっぱり諦めるか。
この免許の付加価値はいかほどなのだか。

絶望してて当たり前ってなもんで。

Posted by jolt at 2005/05/08 (Sun) 14:53:37

mineさん,どうも.
まあ大学は勉強だけの場ではないわけで.そこで培った交友関係とか経験は決して無駄にはならないはずですよ.などと自分自身にも言い聞かせているわけですが・・・w.しかし専門学校より大学の方が視野を広くできるとは思ってます.

joltくん,どうも.
残り8名ってのはちょっと多いかもしれませんが,決して極端に多すぎる数字ではないと僕は思ってますがどうでしょうか?w
「免許」は取っておいて損はないと思いますよ.ドロップアウトならぬ転職はいつでもできるわけで.でも今の道は今しか歩めないわけで.そう考えると「もうちょっと今の道でやってみようかな」と僕なんかは思えます.そうは言っても他の道の事は常に頭の片隅にあるんですけどねぇw.joltくんが起業したら,広報担当で雇ってください.連絡待ってますw.

Posted by cozymax at 2005/05/08 (Sun) 21:24:38

博士課程は専門的な知識とともに科学的なものの考え方、理論の組み立て方を学ぶ過程かなと。後者が身に付いた状態であれば分野が変わろうが何しようが十分役に立つ人材だと思うのですが、なかなか後者を身につけていない人が多いのか、世間にアピールが足りないのか。

Posted by ある大学院生 at 2005/05/09 (Mon) 00:07:52

ある大学院生さん,どうも.

>なかなか後者を身につけていない人が多いのか、世間に
>アピールが足りないのか。

なんだかこの両方のように感じて寂しくなりましたw.アピールという面では,本当に足りない気がしています.

「博士課程修了者=変わり者」

くらいにしか思われていないんじゃないかと.しかも「たいして使えないのに給料だけは高いから会社にとって不要」みたいな扱いで.でもそれって「後者を身につけていない人が多いから」なんですよね.だからそうゆうイメージが根付いてしまっているというか.でもその辺を逆に利用できたら,それはかなり強みになるんですけどねぇ.なんかうまいこといきませんかねw.

Posted by cozymax at 2005/05/09 (Mon) 21:45:15
[ 5 Comments ]
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