Sep 08, 2006

Z工法による無冷房・無暖房な究極の断熱ハウス

地球環境問題評論家の船瀬俊介氏のコラムが面白いので紹介します.冷房・暖房が不要な究極の家は,究極の断熱工法(Z工法)によって実現されているという話.Z工法の生みの親は,断熱屋の親父こと山本順三氏です.

動物の巣(または”すみか”)というのは,多くの場合で見た目のデザインより機能性を重視した作りになっていますが,人間という動物のすみかである家は,機能性よりデザインが先行している場合が多々見られます.これについて山本氏は,気象学や生理学の観点から人間が住みやすい家を提供しているのです.Z工法の要はセルロースファイバー.日本でよく使われているグラスファイバーと違い,空気層が多いため断熱性が高いのです.セルロースファイバーは高価という欠点があるため,山本氏はこれを古新聞を加工したもので代用しました.その結果,坪4万円という安価なリフォーム費用と,夏は涼しく冬は暖かい無冷房・無暖房な住宅が実現したのです.一番凄いのは「Z工法をしたお宅で,関東地方で冬の朝,部屋の温度が12℃を切っていたら工賃はすべてお返しします」と山本さんが言い切っている点.もちろん夜間の暖房を切った場合の話です.

一つだけ疑問なのは,夏場においてなぜ断熱性が高いと室内温度が下がるのかという事.外気を遮断するからだと思うのですが,どちらかというと外気の影響が窓などから室内へ及び,室内温度が上昇し,それが高い断熱性により保たれるため,逆に室内温度が上昇するセンスにあるのではないかと思うのです.実はまさに僕の家がそうなのです.冬場を想定した高断熱性はいいのですが,夏はそのせいで室内温度が上昇します.北海道の住宅は往々にして冬は暖かく夏は暑いのではないかと思うのですが,どうなのでしょうか.Z工法がこの辺りをどう回避しているのか興味があります.

それはともかく,Z工法により断熱性が高まれば,必然的に防音性も高まるため,アパートなどの集合住宅で隣を気にするような場合でもZ工法は活躍するでしょう.日本の狭い住宅事情の救世主になり得そうです.住宅に限らず,例えば自動車のインテリアにZ工法を応用すれば,冷暖房にかかる燃料の節約と静かな車内環境の実現に大きく寄与すると思います.船瀬氏も言及している通り,原油の高騰で冷暖房費がどんどん高くなっている昨今ですから,山本氏のZ工法は理想的なものといえます.北海道を初めとする寒冷地の住宅に是非適用してほしいと思いました.

第30回“断熱屋の親父”が造った無冷房・無暖房の家

山本順三さんは、自らを“断熱屋の親父”と呼ぶ。

『この本~』を読んで、この親父さんはタダ者ではないと感服した。本は、まず気象学の詳述から始まる。次に生理学。こんな建築書籍は、後にも、先にも初めてだ。「クリモグラフが読めます」とサラリ。これは縦軸(気温)、横軸(湿度)の線グラフ。彼は形状を見ただけで、地球上のどの国かピタリ当てる。しかし、これは実に道理にかなっている。建築は、気象、すなわち、その土地土地の風土を抜きにしてはありえない。また、それは人間という“動物”のすみかなのだから、ヒトの生理を無視してもありえない。「この人は、建築学の王道を行っているナ」と深く畏敬の念を抱いた。




Posted at 02:34 in 主張・考察・その他 | Permalink | No Comment | | edit

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