日経BPの森永卓郎氏によるコラム「食べ物を燃やす ― 何かおかしい今のバイオ燃料」は全く同感です.先日の「たかじんのそこまで言って委員会」でも少しだけ触れられていましたが,やはり食べ物を燃やすというのはどう考えてもおかしいです.食べ物が無くて飢え死にする人がたくさんいる国があるのだから,先進国さえ良ければそれでいいという発想は今すぐにやめるべきです.
近年の日本に見る終身雇用制度の廃止や実力主義の導入は,欧米諸国の上っ面だけを真似した薄っぺらい動きである事は周知の事実(だから社会が良くなるどころか変な格差が生まれた)ですが,この事はバイオ燃料にも言えることです.「環境に良いから」という文句だけを聞き入れ,何も考えずに自国で生産できないバイオエタノールをわざわざ海外から輸入し,税金を投入して普通のガソリンと同価格で販売する.輸入の際に要するタンカー船の燃料,そこで排出される二酸化炭素などの温室効果ガスを考えれば,日本でバイオ燃料(それもバイオエタノールの含有率はたったの3%.ちなみにアメリカは10%)を使う事が環境対策として優れているとは到底思えません.
それと,これは森永氏のコラムを読んで知った事ですが,地球温暖化なんて完全に無視している傍若無人なアメリカにおいて,バイオ燃料に占めるバイオエタノール含有率が10%と高いのは,世界的に不人気な遺伝子組み換え作物の在庫一掃セールと,アメリカが日本へバイオ燃料の販売について圧力をかけている事に起因しているらしいのです.さすがアメリカという感じですが,日本の腰抜け外交はもうたくさんという感じもします.
冒頭で「食べ物が無くて死ぬ人が世界にはたくさんいる」と書きました.ですが「世界」ではなく,日本でも同じような事が起こりそうです.欧米の真似で生じた変な格差により,今後は日本国内でも飢え死にする人が増えるかもしれません.死なないまでも,金のない人は安全が保証されない中国産作物や遺伝子組み換え作物(食品)を買わざるを得ないわけだし,マヨネーズ等は値上がりするといいますから,もしかしたら買えない商品も出てくるかもしれません.そのような人たちは車を所有する経済的余裕はないでしょうから,バイオ燃料なんて知った事ではありません.でもバイオ燃料に食べ物が使われれば,被害を最も被るのは車に乗らないそのような人たちなのです.これまた冒頭で「先進国さえ良ければいいのか」と書きましたが,我が国においては「貧乏人を無視していいのか」という事が言えるのではないかと思います.貧乏であろうが金持ちであろうが,人間に変わりはないのですからね.
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