Aug 17, 2008

「「心の傷」は言ったもん勝ち」を読んで

昨日と今日で片道2時間程度電車に乗る機会があったので,知人から貸していただいた本「「心の傷」は言ったもん勝ち」を読みました.これは沖縄でクリニックを開業している精神科医の著者が,自らの経験や考えに基づき,現代社会に蔓延る「心の病」について持論を展開したものです.実は,僕はこの手のジャンルの本に全く興味を惹かれず(著者の別の作品についても同様),自分では絶対に買わないだけに,貸していただいた際も「どうせ読まないから本当は貸してくれなくて良いんだけどな」と心の中で思っていました.しかし,いざ読んでみると,細かい部分ではいろいろ思うところがあるも,基本的には十分同調できる内容であり,しかも良い意味でとても腹の立つ内容だったので,感情にも促され思わず一気に読破してしまいました.何に腹が立ったかと言うと,もちろん著者の論理に対してではなく,そこに書かれている様々な事例に見る「自称被害者」に対してでした.自称被害者である彼らの言い分の大きな傾向はこうです.「自分は心の病に冒された可哀想な人間だ」,「自分は全く悪くない」,「自分が心に傷を負ったのは全て外的要因によるものだ」・・・.これらのことについて,著者は過剰な同情をすることなく,かなり冷静な見方をしており,ときには否定的な見解さえ示しています.ご都合主義の「自称被害者」をむしろ全否定したいとさえ思う僕にとってはこれがとても痛快に感じられ,胸の空く想いがしたのでした.また,もし万が一,自分が「心の病患者」になってしまったら,迷うことなくこの著者の治療を受けたいと思いました.なぜなら,著者の論理は正論以外の何物でもないと感じられるからです.

実は,僕の身近なところにも入社7年目の「仕事したくない病」の自称被害者がおり,まさに「心の傷は言ったもん勝ち」状態で勝手に会社を長期で休むなどしているため,我々は多大な迷惑を被っているのです.この本を読んでいる最中,ずっとその人のことが頭の中に浮かんできて,リンクしていました.本人は心の病を証明する医師の診断書を会社に提出したらしいですが,その人のことを入社当時から知る人は全員口を揃えて「いい歳してしっかりしろよ・・・甘ったれるな!」と言います.そして,その人と4ヶ月しか付き合いのない僕も,高確率で「甘ったれるな!」が的を射た発言であると感じています.なぜなら,もし「彼の事例程度の事例」が本当に病気として取り扱われてしまうなら,「自称心の病患者」は急増し,多くの人が働かなくなり(でも法制度により給料はそれなりに支給されるから生活はできる),やがて日本経済は沈没すると考えるからです.このことは,金儲け目的で安易に患者の心の病を認め,診断書を書いてしまう無能なアホ医者が実在することにも原因があるとは思います.しかし,甘ったれのお子ちゃまが自分の不甲斐なさを自覚しない方がずっと問題だと思います(ちなみに,この困ったちゃんのお坊ちゃんは心の病を理由に突然2ヶ月以上会社を休んだのですが,特に悪びれた様子はなく,それどころか復帰した数日後に課の飲み会に参加して大はしゃぎするという荒技を見せつけてくれました).

本書はこういった類の心の病に対する言及だけでなく,近年乱用傾向の甚だしいセクハラの問題,医療訴訟問題,心の病を防止するために精神力を鍛える方法,などについても触れられています.「痴漢冤罪はあってはならないが,女性の人権を守るためなら多少の冤罪は起きても仕方がない」と公言する大バカ野郎な国会議員(詳細は本書参照)に対する一喝など,読みどころ満載です.680円(税別)の価値はありますよ(って僕は買っていないのですが).


出版社からのコメント
「心の病」を理由にして会社を休んでいるのに、どうやら遊び呆けているらしい同僚。ちょっとした注意を「パワハラだ」と騒ぐ若僧。どんな行為でも「セクハラ」と主張する女性......。「心に傷を受けた」と宣言したら、あとはやりたい放題。詳しい検証もなく、一方的に相手を加害者と断罪する。そんな「エセ被害者」とでも言うべき人たちが、現代日本にのさばっています。

現役の精神科医で、沖縄でクリニックを開業している著者は、こうした風潮を「被害者帝国主義の時代」と断じ、強い精神力を回復させるための処方箋を示します。なぜ日本人はここ二十年で、かくも「ひ弱」になったのでしょうか。

過剰な被害者意識を振り回し、周囲に迷惑をかける「エセ被害者」。彼らに少しでも悩まされた経験のある人には、必読の書と言えるでしょう。


Posted at 20:54 in 主張・考察・その他 | Permalink | No Comment | | edit

Comments
[ No Comment ]
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.









Remember the above info?
管理者用コメント編集:
パスワード: