今日における情状酌量とは,裁判で刑を決める際,同情すべき事情を考慮して刑罰を軽くすることを言いますが,中島らもの「牢屋でやせるダイエット」には,これと異なる情状酌量についての記述があり面白いと思いました.以下抜粋して引用.
長い間領置され,なかなか手元に来なかったミシェル・フーコーの「異常者たち」という本を読んだ.この本から興味深い知識を得た.十七世紀フランスにおいては,嬰児(えいじ)殺しに対する判決は死刑か無罪しかなかった.中間がないのだ.したがって多くの殺人者が無罪となった.これを是正するために,証拠の多少によって罪を段階的に決める「情状酌量」という制度が設けられた.つまり情状酌量とは,従来無罪であった囚人の罪を重くするために設定されたものなのだ.面白い事実だ.
中島らも著「牢屋でやせるダイエット」p.115より
日本には禁固刑がなく,無期懲役の次は死刑であるため,多くの凶悪犯が無期懲役となり,判決から数年後には我々が暮らす社会へノコノコと出てくるのです.日本の司法は被害者に厳しく犯罪者に優しいと言われるのも納得です.意味不明な少年法だけでなく,全ての司法について早急に改正する必要があるのは周知の事実.それなのにほとんど手が付けられていないのは,そのことが選挙の票に結びつきにくいからに他なりません.今から約400年も前の十七世紀フランスを見習うというのも情けないですが,現代の日本は恥を捨ててそれを手本とし,刑を重くするための情状酌量案を打ち出すべきです.例えばコンビニ強盗なんて全員禁固50年でいいですよ.
ちなみに上記引用文にはちょっとした誤植があります.僕が持っているものは第2刷なので,それ以降のものはもしかすると訂正されているかもしれません.ずいぶん前に買って読んだものを最近また読みなおしています.中島らもの文章は本当によくて,惜しい人をなくしたものだと改めて感じている次第です.
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