Jun 14, 2005

マンダムの件で黒人の人権は本当に擁護されたか?

マンダムの男性用洗顔製品のCMで,数人の黒人が顔の汗を拭く様子をチンパンジーがマネするというものがありました.僕も見たことがあります.ところがこのCM,人権擁護団体から「差別にあたる」と指摘を受け,テレビ放送と雑誌への広告掲載が中止になったそうです.人権擁護団体の指摘内容はこうです.

人権擁護団体「コミュニティー」は、黒人を「類人猿と同等とみなしている」と指摘。また、チンパンジーの衣装についても、「ジャマイカの信仰者の宗教的象徴の姿で、僧侶や神主の格好をさせるのと同じこと。無神経で下品」と訴えた。

当然マンダム側には差別の意識などなかったんですが,見る人が見れば差別に当たるという指摘だったようです.だけど僕からすればこの指摘は本当にくだらないもので,むしろ黒人をそうゆう見地からしか見ることができない人権擁護団体は猿以下だと感じました.だってあのCMを見て「マンダムは黒人を類人猿と同等とみなしている」なんて指摘するのは,黒人を差別しているからこそ出てくる意見ではないでしょうか.実際のところ,あのCMを見て「マンダムは黒人を類人猿と同等とみなしているなぁ」と感じた人が一体何人いたでしょうか.日本国内在住の黒人のみなさんは,あのCMを見て不快感を覚えたり,「あんなCM中止しろ!」とマンダム側に一斉に抗議したんでしょうか.または「コミュニティー」という人権擁護団体は,ほとんどが黒人で構成されているんでしょうか.

あのCMに出演していた人が白人だったとしても,人権擁護団体はいちゃもんをつけたんじゃないかと思います.今度は「白人が黒人を思わせるチンパンジーを格下に見ている」などと.だけど結局これらの意見というのは,黒人というものが下等な人種であるという認識をもっていなければ出てこないものです.だから「我々は黒人の人権を守っているんだ!」などと格好いいことを言っても,それは人種差別を行う上での盾にしか聞こえてきません.日本在住の黒人にとっては,実はありがた迷惑(単なる迷惑かも)な出来事だったかもしれません.と同時に寂しい出来事だったのではないかと思います.それは,黒人である自分が日本社会にとけ込んでいると(自分では)思っていたのに,コミュニティーとかいう訳の分からん団体が,結果的に黒人を差別するような発言をし,マンダムはそれをあっさりと受け入れてしまったからです.

人種問題とか宗教とか政治の事に関しては,お互いが違う人種・違う国の人間であった場合,比較的仲の良い友達同士でも気を遣う話題です(少なくとも僕はそうです).だからこそ,抗議する側もされる側も,もうちょっと慎重に時間をかけて答えを出してほしかったと思いました.今回の人権擁護団体とマンダムのやりとりは,少なくともこのオリジナルソースを読んだ限りでは,あまりにも短絡的でくだらないものだと感じたからです.

マンダムのチンパンジーCM、「黒人差別」指摘で中止

化粧品製造販売「マンダム」が、チンパンジーが黒人のまねをしているCMについて、「差別にあたる」との人権団体の指摘を受け、テレビ放映と雑誌広告を中止していたことがわかった。同社は「国際感覚が欠如しているという認識に至った」としている。


Posted at 15:12 in 主張・考察・その他 | Permalink | 5 Comments | | edit

Comments

この件での人権擁護団体が果たして「人権」と言うものを正しく捉えているかどうかは別問題として、マンダムのCMは、実際見たことの無い僕から考えてみても、自分の住んでいる社会以外の世界に関して余りにも無知で無配慮ではないかと思います。

今回のCM自体が「人種差別」を助長するかしないかが問題ではなく、実際に差別と言うものを経験し、今なお、それが現実である社会で生活している人が、それに対する配慮の無い人達(日本人)が、このようなCMを何の悪気も無しに製作し、放送する事自体に憤りを感じることは大いにありえる事です。

黒人が黒人のコミュニティを揶揄し、嘲笑するような行為が黒人には受け入れられても、同じ事を白人やアジア人がすれば「おいおい・・・」と言いたくなっても当然のような気がします。

差別用語や差別制度が無くなる、あるいは「規制される」事が人種差別がなくなることを意味しないのは僕も分かっています。人種差別の無い社会では、堂々と相手を放送禁止用語で呼ぶ事も可能でしょう。ただし、それは「差別の存在を意識する事が差別の始まりだから、差別、差別と騒ぐのはいかがなものか」と言って、無知のままでい続けることとは異なるものだと思います。

それから人権擁護活動をする人の多くは「ある特定の肌の色をした人が差別される社会と言うものは、いつでも私も含めた同胞を差別してくる可能性を持つ社会だ」と言う危機意識を持っています。だから、黒人だから、どうのこうのいう問題でもないのです。

Posted by Taka at 2005/06/14 (Tue) 16:47:19

takaさん,どうも!
いつもながら貴重なコメントありがとうございました.
コメントをいただいて,自分の考えがよく分からなくなりましたw.
順を追って書いていきます.

まずこのエントリーを書いた背景で,takaさんの言葉を借りれば僕が重要だと思うのは以下のポイントです.

takaさんwrote:
>差別の存在を意識する事が差別の始まりだから、差別、差別と
>騒ぐのはいかがなものか」と言って、無知のままでい続けること

「無知のままでい続けること」はマズイです.どのくらいの知識レベルがあれば無知ではないのか?という問題もあるかもしれませんが,僕は黒人たちが過去にどんな酷い差別を受け,また現在も受け続けているのかについて,熟知しているわけではないけども,全くの無知でもないと勝手に思っています.だからこそ,少なくとも日本国内においては,差別の存在を意識することが差別の始まりのように聞こえてしまうのです.

黒人差別は現在の日本国内では無いでしょうし,このマンダムのCMは日本国内でしか見れないCMだと思います.もちろんネット等で海外流出する可能性は多々ありますが,話がややこしくなるので今は流出しないと仮定させてください.そうした場合,放送を中止するほどの過失がこのCMに(マンダム側に)あったかどうか,というところが疑問です.黒人とチンパンジーを一緒の画面の中におさめることがそんなにマズイことでしょうか.これをジョークとして捉えることは絶対に無理でしょうか.

あのCMには複数人の黒人が出演しています.また国内在住の大勢の黒人の皆さんも,あのCMを見ているでしょう.彼らの中に「俺たちとチンパンジーを同類に扱ったようなこのCMは何だ!ふざけるな!!」と憤慨した人は何人いたか知りたいです.僕が思うに,当の(日本在住の)黒人たちは,我々が思っているほどこのCMに対して関心はないんじゃないでしょうかね.むしろ「コミュニティーだかなんだか知らないが,変な人権擁護団体が俺たちとチンパンジーが同類だと言っている.ふざけるな!」と思う(日本在住の)黒人の方が多いんじゃないでしょうか.

しかし.
冒頭で「よく分からなくなってきた」と書いた理由が以下から始まりますw.

先の仮定では「このCMが海外流出しない」としましたが,やっぱりネットで動画が流出したり,人づたいに話が流れたりする可能性は高いでしょう.だから元々「仮定できない仮定」なのかもしれません.「このCMの件はどうゆう形か分からないけど海外へ流出するんだよ.そしたら日本という国のレベルが疑われるんだよ.だからCMを中止を指摘した人権擁護団体はエライし,中止を決めたマンダムの判断も評価できるんだよ」とも言える気がしてきたからです.

で,結論は,やっぱりよく分かりません(なんじゃそりゃ・・・).
takaさんがおっしゃることは分かります.だけど「日本国内における軽いジョークを取り入れた,たかが1つのCMじゃないか」という考え方もどうしても拭いきれません.しかしこれはやっぱり間違いで,ジョークにならないジョークがこのCMには含まれていたということなんですかねぇ・・・.

なんだか1つのエントリーくらい長文になってしまいました.だけど個々のエントリーは有意義なコメントでどんどん内容が濃くなっていきますから,全然気にしませんけどね(自分のブログですし).

Posted by cozymax at 2005/06/14 (Tue) 19:57:20

トラバありがとうございます。で、遅くなってすみません。

マンダムは当然「問題なし」としてCMを作った訳ですが、騒ぎになってしまったため、やむなく撤退という感じがしますね。
本当は思っていますよ。
「あのCMのどこが問題なんだよ。ちっ!」って。

昔、桃井かおりが出たCMで「世の中バカが多くて疲れません?」というCMが視聴者の抗議を受けて中止になったことがありました。
これは個人的に好きなCMだったので、残念でした。私もそう思っていましたから(笑)

そのあとには矢沢永吉がBOSSのCMで「今の若い者はっていうけど、今の古いものもねぇ。」と会議室で年配幹部を前に言うCMもありました。
これには苦情が来なかったんですよね。私はヒヤヒヤしてたんですが。

苦情を言う人たちの判断基準が分かりません。上記の三つだけでいえば、チンパンジーだからまずかった?桃井かおりが言ったから気に入らなかった?永ちゃんだから良かった?

私の放送コードとしてはどれもOKなんですが。

Posted by Nono at 2005/06/17 (Fri) 02:35:51

cozymaxさん、

>日本国内においては,差別の存在を意識することが差別の始
>まりのように聞こえてしまうのです
違うと思います。差別や偏見は主として「無知」により増幅され、伝播します。差別や偏見は、一つの集団が別の集団に対して異なる基準と権利を持つと信じる事から始まります。それは無意識に、そしてプロパガンダにより、発生し増幅する可能性があります。それ故に、歴史的背景、多様な見解を知る事が大切だと思います。はっきりと意識してこそ、世の中の差別が見えてくると思います。

日本国内の黒人の人達が、あのCMをどのように思うとか、その数がどうとかいうのは僕の考えに余り影響しません。問題は「黒人を取り巻く差別」というよりも、私たちの想像力にあると思います。アメリカとかヨーロッパで流されるCMにメガネ、スーツ、カメラ、と言う、かつての日本人のイメージをしたキャラクターがジョークとして使われたときに、疑われるのは、そう言うCMを製作する側に欠けている、異文化、異人種が、それをどのようにとらえる可能性があるかというイマジネーションだと思います。

ジョークと言うものは、自らを、あるいは強者、多数派(マジョリティ)を笑いの対象にするものだと思います。弱者をからかうのは単なるいじめです。黒人が弱者と限られるわけではありませんが、読む限り、件のCMにはジョークの要素は見当たりません。仮にマイケル・ジャクソンのそっくりさんがチンパンジー(または白人少年)と出るCMを作ったとしたならば、それは(質がいいか悪いかは分かりませんが)ジョークといえるかもしれません。

Posted by Taka at 2005/06/17 (Fri) 17:29:00

サルが2本足で立ってウォークマンを聴いているCMが昔ありましたが,あのCMが話題になった理由は,明らかに人間ではないサルが人間のような行動をとっている様にジョークを感じ,またほのぼのとした雰囲気を皆が感じたからだと思います.今回のマンダムのCMもそれと同じだと僕は思っています.その背景には黒人の差別もないし,動物虐待もないと思うのです.ただそれだけのことです.そう,”ただそれだけ”の・・・.それなのにCMの映像を”深読み”し(僕から言わせれば深読みです),挙げ句の果てには「(マンダムは)黒人を類人猿と同等とみなしている」だなんて,やはりちょっと理解に苦しみます.僕はこのCMにジョークを感じるし,そのジョークというのは誰かをからかうような趣向のものではないと思っています.自分または誰かをからかうだけがジョークではないとも思いますし.

takaさんがアメリカに詳しい方だから少々言いにくいですが,アメリカのジョークには政治ネタが多い印象を僕は持っています.そしてそのジョークの趣向は誰かを”からかう”ものが圧倒的に多いです.わかりやすいところでは,サルと何かの写真を合成するとブッシュになる,みたいなものですね.しかし日本のジョークは,その趣向が多種多様だと思うのです.ある種「中立」の立場である動物(サルに限らず)にスポットを当てて,動物を擬人化させるというジョークは日本人の得意技だと思います.このマンダムのCMも,その程度のものだと僕は解釈しているのです.またその解釈は興味深いコメントをいただいた今でも変わってはいません.もちろん「そうゆう考え方もあるな」という知識(認識?)の広がりは感じていますよ.

Posted by cozymax at 2005/06/17 (Fri) 23:08:10
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