自分の事を「先生」と言う学校の先生や,「我が輩」と言う悪魔は実在しますが,「本官」と名乗る警察官は天才バカボンか金八先生か夢で逢えたらでしか見たことがありません(夢で逢えたらでは,松ちゃん演じるガララニョロロ巡査が本官と名乗っていました.例えば「本官は小悪魔ニョロよ~」).ちなみに本官という言い方は警察官に限ったものではなく,公務員(すなわち官職にある者)全般に当てはまるわけですが,そうやって視野を広げてみてもやはり該当者は見あたりません.
本官と名乗るこれらの警察官に共通するのは,制服警官であり私服警官(刑事<デカ>)ではないということ.もし踊る大捜査線の青島が『「事件は会議室で起きてるんじゃない.現場で起きてるんだ!」と本官は思うでありマス!』などと,僕が嫌いな品川庄司の品川っぽく言ったとしても全然決まらないことは明白ですから,このキャラ設定は間違っていないのです.「本官」は,ナイナイのフジテレビ警察みたいな雰囲気の警察官によく似合います(特に岡村).
このように,少なくとも上記作品では警察官は笑えるキャラとして描かれており,その印象が強いため,警察官が「本官はー」と言うとすると,条件反射的に何となく脱力系の臭いを感じてしまうのです.またバカボンでは警察官が地域住民から「本官さん」と呼ばれていて,一見親しまれているようにも思えるのですが,警察としてナメられていると見る事もできるのです.このことからも警察官が「本官」と名乗ることは,メリットよりデメリットの方が大きいと考えることができます.現職の警察官が「本官」と名乗らないのは,「本官」と名乗ることで自分がバカにされると分かっているからなのかもしれません.交番勤務の制服警官は,自分の先輩にあたるお偉いさん方に未だ根強い天下りイズムや,彼らによる汚職などによって,自分は直接関係ないのに「警察」というだけでバカにされますから,もうこれ以上デメリットを増やしたくないと思うのは当然のことと言えます.特に同情しませんが大変な職業だとは思います(警察が大変な職業だと自覚している警官がどれほどいるのかは謎).
最後に余談.少なくとも上記3作品では警察官がバカにされて描かれています.これは法律を武器にした暴力団とも言われる警察に対する作者からの挑戦状的なメッセージではないかと思うのですがどうでしょうか.作者は警察の事が好きではない気がします.まあ警察が好きな大人なんて元々マイノリティでしょうけど.
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