出し抜けにこんなことを書いて驚かれるかもしれませんが,ラーメンは麺とスープでラーメンです.つまりラーメン屋は麺とスープを作り,お客さんに提供するのが仕事なわけです.しかしスープはまだしも,麺まで自家製でやっているラーメン屋がどれほどあるでしょうか.恐らく多くのラーメン屋は麺を外注しています.作っているのはスープだけ.つまりそんなラーメン屋はラーメン屋ではなく,スープ屋と言う方が適切なのです.スープ屋における麺の位置づけは,チャーシューや煮タマゴと同じくトッピングの一つでしかないのです.
そば屋やうどん屋やパスタ屋なんかでも麺を外注しているところはあるでしょうけど,ラーメン屋とは違い,逆に多くの店で自家製麺を使っているイメージがあります.麺もつゆ(パスタの場合はソース)も自家製.やはりこうじゃないとしっくりきません.ライスを外注しているカレー屋があり得ないと思うのと同じことです(パンを外注しているサンドイッチ屋とかも).
僕は去年知ったのですが,釧路のそば屋に入ると「ぬき」というメニューがあります.これは「そば」(麺)が入っていない,具入りめんつゆスープのことを指します.例えばお客さんはカツ丼と「ぬき」を注文し,「ぬき」を汁代わりにしてカツ丼を食べるのです.「ぬき」でそば焼酎や日本酒をひっかける通(つう)な人もいるようです.話が前後しますが,先に書いたラーメン屋を名乗るスープ屋は,潔くデフォルトを「ぬき」にし,麺をトッピングにしたらどうかと思います.もしくはデフォルトを麺入りにしておいて,「ぬき」にも対応するとか.そういった区別を図らないと,麺も自家製でやっているラーメン屋はいい気がしないと思います.自分が誇りを持ってやっているラーメン屋という職業が,スープ屋と混同され世間に認知されてしまっているわけですから.
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