May 17, 2009
なぜカタツムリの動きは遅いのか?
世の中の動植物はそれぞれ理由があって存在しているのでしょうけど,日常生活の中でいちいちその理由を考えるに至る対象は非常に少ないと思います.カタツムリがなぜ遅いかということも,多くの人にとってはその1つではないでしょうか.カタツムリの移動速度がゴキブリ並に速ければそれはそれで大問題なわけですが(食物連鎖的にということより,単に恐ろしいから),そうではない以上,特に着目すべきことではありません.ところが,このことは学術的には大事な問題のようで,しかも真相解明が我々人間の生活,そして将来,主に医療面の充実に寄与するかもしれないのです.以下,BBCより.
Evolution is slowing snails down
Nespolo and Artacho measured the size of almost 100 garden snails (Helix aspersa). They also gauged their standard metabolic rate (SMR), by measuring how much carbon dioxide each animal produced while at rest.
After seven months, they recaptured the animals, collecting the empty shells of those which had died.
They found size did not predict which animals survived. But metabolic rate did, with surviving snails having a metabolic rate 20% lower than that of the snails that didn't survive.
全文の要約は以下です(間違ってたらすいません).
NespoloとArtachoは,庭にいる100匹のカタツムリの大きさと標準代謝率(standard metabolic rate (SMR))を測定し,再び庭に放した.7ヶ月後,彼らは同じカタツムリを採取し,死んだものについては殻を採取して,再度大きさとSMRを測定した.その結果,彼らは個体の大きさはカタツムリの生存に関与しないと結論した.しかし,SMRは死んだカタツムリの値より生き残ったカタツムリの値の方が20%低いことを発見した.これより,カタツムリは代謝率が低ければ低いほど生存の可能性がより大きいことが示された.このことは,自然界がより高効率のカタツムリを選んで生かしているという証拠である.
SMRは,動物が生きるために必要な最低限のエネルギー量の大きさである.つまり,これが小さいということは,成長や繁殖など,他の活動へより多くのエネルギーを費やすことができるのを意味する(カタツムリはこの点において強みを持っていることになる).
遅い代謝は遅い動きに関連しているのか?これは究極の質問であり,答えはまだ分からない.しかし,もしそうなら,それはカタツムリがエネルギーをよりゆっくり消費するために進化しているだけでなく,ますますゆっくり動くようになることを意味する.
ちなみに,同様の実験は野生のネズミを使って実施されたこともあったそうですが,実験中にネズミが逃げてしまい,失敗に終わったのだそうです.野生のネズミが逃げることなんて,ちょっと考えれば分かると思うんですけどね.個人的には笑い話で済ませたい内容ですが,今の日本なら場合によっては研究費の無駄遣いとして厳しく批難されそうです(国立の大学や研究機関なら,研究費=税金の場合も多々あるし).
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