Oct 02, 2006

理解に苦しむ「立ち読み=万引き」の論理

湯川れい子氏曰く,「立ち読みは万引きと同じ犯罪行為」なのだそうです(via Letter from Yochomachi).この人はもっとマシな人かと思っていただけに,このような訳の分からない持論を展開されると非常に残念な気持ちになります.仮に,日本中の本を扱うお店で立ち読みが一切できなくなったとしたら,本は今よりずっと売れなくなるはずです.コンビニなどでは本の売り上げと共に他商品の売り上げも落ちるかもしれません(客の出入りが減るでしょうから).同じように,CDショップで一切試聴ができなくなったとしたら,CDの売り上げは落ちるでしょう.このことはWinMXやWinnyの存在とCDやDVDの売り上げに相関関係がないことと同じです.本やCDの売り上げが伸びないことを立ち読みや試聴のせいにするのは非常に短絡的であり,幼稚な思考であると言わざるを得ません.どうせそのような考え方をするのであれば,消費者が買いたいと思えない本やCDが多すぎる(つまり売り上げが伸びないのはクリエーター側に責任がある)と結論づけた方がまだ救いがあります.

Letter from Yochomachiの散人さんにより,湯川れい子氏の言い分が簡潔にまとめられています.傑作なのは「立ち読みを防ぐには,具体的にどうしたらいいか」についての彼女の持論と,それに対する散人さんのコメント.

<湯川氏の言い分>
6. どうすればいいかだが、知恵はない。結局、一人一人のモラルに訴えることと教育で徹底するしかない。

<散人さんのコメント>
どうすればわからないのだったら言うな、というところだが、いやはや過激。

全くおっしゃる通りで,ただでさえ理解に苦しむ論理なのに,自分なりの解決策がないのだからどうしようもありません.どうゆう背景に基づいて「立ち読みは犯罪行為である」と格言めいたことを明言しているのか分かりませんが,仮に自分が著作権絡みの被害を過去に受けたからヒステリックになって「立ち読みは犯罪」と主張しているのだとしたら,もうクリエイティブな仕事から手を引くべきでしょう.そんな人は時代に取り残された古株でしかないわけですから.


Posted at 19:50 in 主張・考察・その他 | Permalink | 2 Comments | | edit

Comments

これはちょっとすごい意見ですね.
写メールで情報を撮影するという行為ならともかく,立ち読みを許さないというのでは,極端な例ですが理系の書籍なんて怖くて買えないです.そこらへんの小説の本が全て漫画のようにビニールがかかるようになってしまうことを考えたら,そんな本屋には行きたくないですね.

例えばの例ですが,うちの大学では見計らい本といって業者が見本の理系書籍を持ってきます.そして気に入ったら買うと.結構読んでみて買ってみよう,手元に置いておきたいという気分になることは多いんですよね.値段がはっても欲しい本を見つければ人は買うと思うんです.

よっぽど出版業界の効率化を働きかけて印税率を上げた方が良いと思ったりするわけですが.

Posted by おーた@名古屋 at 2006/10/02 (Mon) 22:26:25

普通の小説や雑誌でも中身を見てから買いたいと思うのだから,専門書となれば当然も当然ですよね.

立ち読みのできない本屋を想像すると,何とも殺伐とした光景が目に浮かびます.人は目的の書籍へまっしぐらに進み,手に取るとすぐにレジへ向かい会計を済ませ,そして店を出る.時間にして5分か10分でしょう.というか,そんなことならamazonで買いますね.田舎の本屋は全滅するのではないでしょうかw.そうなったら湯川氏はどう責任を取るのか.廃業した本屋に土下座して謝り,お詫びとして1千万円ずつ払ったとしても本屋の怒りは全く収まらないでしょうね.ネットを使えない(=amazonで購入できない)高齢者などの人々は地域の本屋を失うわけですから,そういった人々にも謝罪しなければならないでしょう.こうやって妄想を膨らませていくときりがない.妄想は楽しいですw.

Posted by cozymax at 2006/10/03 (Tue) 00:42:14
[ 2 Comments ]
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.









Remember the above info?
管理者用コメント編集:
パスワード: