こもりまさあきさんの「カバーアルバム花盛り」(gaspanik weblog)を読んで,確かに最近はカバーアルバムがたくさんリリースされていると思いました.これは市場のニーズなのか業界の流行なのか分かりませんが,僕としては良いことだと思います.それは,ここ10年を振り返ってみても,いわゆるJ-POPというやつの商業主義の波はえげつない酷さを見せており,それによる「一曲の重み」みたいなものが極めて軽視されていると感じるからです.そんな中で,まともな歌手が名曲を改めて歌い上げ,作品に陽を当ててあげるような行為は好感が持てます.もともと曲のレベルは高いのに,それを歌ったオリジナルの歌手のレベルが低かったため,結果的に陽の目を見なかった作品もあるでしょうからね.でも,カバーアルバムをリリースした歌手のレベルが低かったら全く無意味ですが(だから「優秀な」カバーアルバムである必要がある).最近は地球環境を守るべく,あらゆる資源を適材適所で大切に使うという意味で,大量生産・大量消費が時代遅れと捉えられる傾向がありますけど,音楽業界でも大量生産・大量消費が必ずしも良いことではないという考え方が根付くべきだと思います.このことは,主にJ-POP市場を支えているであろう若い人に気付いてほしいです.場当たり的な印象や流行や価値だけで判断するのではなく,自分にとって本当に良い曲とはどんな曲かということをたまには考えてほしいです.そのきっかけとして「優秀な」カバーアルバムは有用だと思います.「20代以前の若い人がカバーアルバムで昔の曲を聴き良いと感じる→30代以降にとってはそのオリジナル曲が思い出の曲である→オリジナルバージョンをカラオケで歌う→若者からちやほやされる」というサイクルが生まれる点においては,年寄りにとってもカバーアルバムは有用ということになりますけど.こもりさんの言及と同じく,来年R30を限定解除する僕の中にも,カラオケブームが到来することでしょう.
ところで,他人の作品をカバーして自分の利益を得ることができる業種というのは,音楽以外にあるのでしょうか.テレビ番組でも,ネットの世界でも,本でも,絵画でも,カバーは見あたらない気がします(絵画では,レプリカ作成のための合法的なコピー文化はあるでしょうけど.違法コピーは盗作とかパクリと言うのが適切?).モノマネ番組だってカバーとは言えませんし,良く比較される「めちゃイケ」と「はねとび」だってカバー関係には無いと思うので,やっぱり心当たりがありません.こう考えると,音楽業界というのは,非常に特殊な業界である芸能界の中でも更に特殊なのかなと感じます.セルフカバーなんて究極ですよね.自分で自分をカバーしちゃっているわけですから.コンピレーションアルバムとかトリビュートとかリミックスとかオムニバスなども含めると,もう何でもアリに思えてきます(こうゆうところから,無能な「自称アーティスト」たちによる極端な商業主義の芽が育っているように思う).
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