今朝(というか昨日の深夜)テレビでやっていた八つ墓村を見ました.この八つ墓村は1991年版のもので,金田一耕助を古谷一行が演じていました.金田一といえば石坂浩二みたいなところがありますが,八つ墓村に関しては石坂浩二は一度も出演していません.ちなみに,初めて映画化された際の金田一は片岡千恵蔵でした.最近では稲垣吾郎が金田一を演じることが多いですが,あれは全くお話になりません.彼はSMAPとしてのアイドルのイメージが強すぎるし,それを除いたとしても演技が軽くて見ていて興ざめします.以前に彼が主演の「犬神家の一族」を見たときにそう思いました.でも5日に放送される「悪魔が来たりて笛を吹く」は仕方なく見るつもりですけどね.それは,僕が金田一シリーズのファンだからです(内容は知っているけど好きだから見ます).
八つ墓村は以前にも何度か見たことがあるし,本も読んだことがあるのでストーリーは知っていたのですが,それでもやはり面白かったです.昔の邦画は独特の雰囲気があります.昭和23年(戦後間もない頃)を舞台としているため,俳優陣もそれなりの格好をしているのですが,その格好やメイクが何とも言えない怖さを生んでいます.戦争被害者が当たり前のように描かれている辺りも,話を重くするのに一役買っています(八つ墓村なら英泉,犬神家ならスケキヨ,など).何となく古めかしい質の映像も恐怖を助長しています.例えば田治見小竹と田治見小梅なんかは,別に特殊メイクをしているわけではないし,特に怖い演技をしているわけでもないのに,もの凄く存在感があり気持ち悪くもあるのです.「たたりじゃー!」で有名な濃茶の尼なんて反則です.ちょっとキチ○イな感じのあのキャラは,昨今の映画やドラマでは様々な制約により描けないのではないでしょうか(上手く言えないですが,見せ物小屋と同じ臭いを感じます).渥美清が金田一を演じた昭和52年の八つ墓村における濃茶の尼は,猛烈に怖くてトラウマになるほどです(エントリ下部の参考リンク参照).今日見た八つ墓村では,森美也子役の夏木マリがベスト・オブ・恐怖でした.というか夏木マリは普通に怖いです.最近のユニクロのCMですら怖いですから.あの演技力には凄まじいものを感じます.最近の若い女優(10代から30代)では絶対に代役を果たせません.
八つ墓村は実際に起こった事件をヒントにして出来上がった物語であることは知っていましたが,そのことの詳しい内容は今日まで知りませんでした.「今日まで」というのは,先ほどWikipediaを調べたからです.もちろんWikipediaの内容がすべて正しいとは限らないことを知った上での話です.
1938年5月21日未明,岡山県にて起こった津山事件(または犯人の氏名をとって都井睦雄<トイムツオ>事件).これが八つ墓村という作品の根底にあるのです.この事件では30名が犠牲者となりました.しかし八つ墓村はそのタイトルにもなっている8名の死に基づき,8の倍数である32が採用され,田治見要蔵により32名が殺害されるストーリーになっています.要蔵が殺害行為に及んだ際の容姿は,前述の濃茶の尼による「たたりじゃー!」と同じくらい有名で,鉢巻に小型懐中電灯を2本括り付けているわけですが,実は都井睦雄も全く同じ容姿で30名の殺害に及んだのだそうです.このとき都井は21歳.閉鎖的な集落(部落),人間関係,偏見などの複雑な絡み合いを背景とした津山事件の様子は,なるほど八つ墓村にも見られます.また,戦争が話を重くしていると先に書きましたが,津山事件も根底には戦争の影響があるのです(戦争が原因(徴兵検査の丙種合格)で都井は村人から迫害を受けた).戦争なんてタバコと同じ.百害あって一利なしということがよく分かります.
・八つ墓村(Wikipedia)
・津山事件(Wikipedia)
・八つ墓村-配役比較-(今日見た作品はFに相当)
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