Dec 02, 2005

環オホーツクを巻き込む中国の時間差多発テロ

環境汚染,海賊版製品の氾濫,国民のマナーの悪さなどで有名な中国がまたやってくれました.今回は河川と海洋の汚染です.次期オリンピック開催国とは思えないレベルの低さ.これは今に始まったことではないのですが,全くダメな国だと痛感します.痛感しすぎて痛いです.

で,まずは本件のあらすじを簡単に.

中国東北部の吉林省吉林市の石油化学工場で大規模な爆発が発生したのは11月13日のことでした.この事故によって近くを流れる松花江は汚染されました.しかし一部の報道によれば,松花江が汚染されているという事実を中国政府は10日間隠ぺいしたというのです.この理由について中国政府は「市民の混乱や外国との関係を考慮した上での善意のうそだ」とコメントしました.この「善意のうそ」のおかげで,約400万人の市民が10日間にわたって汚染された水を飲用し続けました.また「善意のうそ」はお隣ロシアにも影響を与えました.中国政府が汚染の事実を隠ぺいしたため,ロシア側の対策が遅れたのです.これだけにとどまらず,「善意のうそ」は海を越え,日本にも影響を及ぼす可能性が高まっています.松花江はアムール川最大の支流ですが,そのアムール川はオホーツク海に多量の河川水を供給しています.この時期はアムール川の水を多く含む流氷が北海道沿岸にも流れ着きます(この辺り,詳しくはいろいろとあるのですが・・・).流氷だけでなく,海流としてもオホーツク海北部の海水は北海道沿岸,および日本海にも多少なりとも注ぎ込むのです.

液体が凍結するとき,その液体は不純物を排出しながら,なるべく真水成分のみで凍結しようとします.例えば家庭の冷凍庫でオレンジジュースを凍らせてみると,氷と濃いオレンジジュースに分離するはずです(つまり完全にオレンジ色の氷にはならない).海であれば塩は不純物ですから,海水が凍った後,すなわち流氷というのは塩を含まない氷なのです.しかし流氷の形成過程において,多少の塩水は流氷中に取り込まれます(一般に流氷の塩分は海水の塩分の約1/5程度).流氷中に取り込まれた塩水は,流氷の氷厚増加(温度低下)に伴ってどんどん凍ろうとします.しかしその中でまた真水成分だけが凍っていくので,流氷中に取り込まれた(閉じこめられた)塩水の塩分濃度はどんどん高くなっていきます.すなわち高い塩分濃度の塩水(液体)として濃縮してくのです.ちなみに海水の塩分濃度は一般に約3.2%,流氷の塩分濃度は約0.6%,流氷中に閉じこめられた塩水は3%から10%程度にまで達します.

海水中に汚染物質が溶け込んでいれば,当然それも不純物なのです.上記の過程に基づいて形成した,濃縮された汚染物質を保有した流氷が,北海道沿岸に漂着する可能性は否めません.春になってその流氷が融けはじめれば,濃縮された汚染物質が北海道沿岸の海域に一気に供給されることになるのです.こう考えると,もしかしたら水のまま汚染水が日本に達するより,流氷として達する方が深刻な問題を引き起こすのかもしれません.もし北海道オホーツク海沿岸の海域が汚染されたとしたら,世界自然遺産に登録された知床の生態系が崩れたり,オホーツク海の漁業が深刻な問題を抱えたりすることは容易に予想できることです(実際にロシアではすでにアムール川における淡水魚の捕獲を1年間禁止する通達が出されました).これは北海道だけの問題ではなく,日本全体の問題と言っても過言ではないでしょう.

中国政府は,アムール川に汚染が拡大してロシア側に損害が出た場合は,中国政府が補償をすると約束したそうです.しかしロシアだけでなく,中国政府は日本にも同様の約束をするべきだと思います.また日本政府も早急に中国へ抗議すべきでしょう.国連副事務総長はなぜか中国の対策を称賛していますが,彼にとって本件が他人事だから称賛できるのであって,当事者は称賛などできるはずがありません.国連副事務総長は中国の実態を知っているのでしょうか.日本語が読めなくても目は見えるでしょうから,ココの写真でもよく見て勉強してほしいと思います.

それと前述の「善意のうそ」の発案者で吉林省省長の張左己というおじさんは,400万人もの市民を騙し,健康に害を与え,もしかしたら死に至らす危険さえ与えたという罪で即刻辞任してもらいたいと思いました.こうゆう隠ぺい大好きっ子が中国には多いと聞きます.コピー大好きっ子と共に消えてほしいと切に思うわけであります.

中国松花江の汚染(Yahoo!ニュース:海外トピックス)

<関連リンク&参考リンク>
中国の河川汚染
中国の通報遅れに不満 ロ、戦略的蜜月に水差す
有害物質がアムール川到達=1年間の禁漁通達-ロシア
【中国】松花江汚染:市民が訴訟、賠償金15元求める
有害物質、濃度も隠ぺいか=河川汚染で基準の300倍-中国誌
日本海にも影響の可能性 極東の河川汚染
【中国】事故汚染:情報隠し「善意のうそ」、省長釈明に非難
排水垂れ流し深刻…中国政府、企業への監督強化を通知
松花江(Wikipedia)
アムール川(Wikipedia)


Posted at 01:53 in 主に時事ニュース | Permalink | 4 Comments | | edit

Comments

北見に中川さんが来て同じようなことを言ってましたね。
流氷は、アムール河からくるから汚染物質の塊になってしまうって様なことだったかな。

エチゼンクラゲも中国産ですし、日本政府もどんどん言って欲しいですよね。

Posted by ろぜ at 2005/12/02 (Fri) 08:48:16

中川さんって国会議員の中川昭一さんですか?

実は北海道に流れ着く流氷のすべてがアムール川産とは言えないのですが,海流の影響で知床あたりに打ち寄せられる流氷で,1m程度の厚さのものであれば,それはアムール産かもしれません.何にせよ影響がゼロではないことは確かです.某最大のイエスマンじゃ期待薄ですから,中川昭一さんや鈴木宗男さんあたりに頑張って貰いたいと個人的には思っています.特に鈴木議員はロシアとのつながりが(かつては)強かったですから(今はどうなのか知りませんが),協力体制を取り,ロシアと共同で中国にたたみかけてほしいです.

Posted by cozymax at 2005/12/02 (Fri) 09:28:43

そうです。昭ちゃんが来てました。
なるほど。
知床の氷は、アムール河なんだ。
そのネタ使えるなぁ。
知床で連載書いているんで。

Posted by ろぜ at 2005/12/04 (Sun) 09:48:03

知床の氷も,正確にはアムール産ではないのですけどねぇ.そもそもアムール川は淡水なので,そこで海氷(流氷)はできないのです.アムール川の影響を受けた海水が凍って海氷になるケースはもちろんありますが,北海道沿岸で海氷が先にできてしまえば,それがバリアのような働きをするため,ロシアからの海氷は北海道沿岸に届かないのです.何か公式な場所で文章を書くのであれば,北海道で見られる海氷はほとんど国産(日本の海域内で生成されたもの)と言い切った方が無難です.夢がないですけどw.

Posted by cozymax at 2005/12/05 (Mon) 17:57:16
[ 4 Comments ]
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