今月20日からICパスポートの申請の受付が開始されます.ICチップには顔画像の他,国籍,氏名,生年月日,旅券番号などの旅券面の記載事項が記録されます.これにより出入国時における不正を暴くことが狙いだそうです.出入国の手続きが簡単になり,時間短縮につながることも考えられます.しかしこのようなメリットよりデメリットの方が多いように思えてならないのです.
すぐに思いつくデメリットとしては,ICチップの強度です.もし旅先でICチップが割れたり,湿気や磁気の影響でICチップに記憶されている情報が消えてしまったりしたらどうなるのでしょうか.5年以上10年未満の時間経過と使用に耐える物理的・メディアのシステム的強度がちゃんと保証されているのかどうかは気になるところです.次に思いつくデメリットは,日本以外の国(自分が訪れた国)に自分の個人情報が蓄積されるという不安です.情報の流出は絶対にあります.故に,テロを防ぐ目的で導入されたはずのICパスポートが,逆にテロ組織の情報収集に貢献する可能性は少なからずあるわけで,その辺りの確実性は気になるところなのです.
ICチップの破損への対処は外務省のウェブサイトにありました.しかしよく分からない説明です(以下.リンクはこちら).
Q もし、出入国審査時にICチップが壊れていることが分かったときはどうなりますか。
A ICチップに書き込まれた情報は旅券面の情報を電磁的に記録したものです。IC旅券はICチップの情報と券面情報を比較して偽変造の有無を確認することができますが、ICの情報を見なくともこれまでどおりの審査を実施することができます。したがって何らかの事情でICの情報を読み出すことができなくとも、それのみをもって入国を拒否されるということはありません(情報が読み出せない原因がICチップの破損なのかリーダーの不具合なのか即座に判断することも困難です)。ICAO(国際民間航空機関)の認識もICチップは身分事項ページに記載された券面情報を補助するものとの位置付けとなっています。
さらに不可解なのは次のQ&Aです.
Q ICチップが壊れたときは新しい旅券と交換しなければなりませんか。
A 上記のとおりICチップが作動しなくなっても旅券として無効になるわけではありませんので、新しい旅券に切り替える必要はありません。
ということは,最初からICチップなんて必要ないということではないですか.ICチップを旅券につける意味や目的を根底から覆すQ&Aだと思うのですがどうなのでしょうか.これだからお国のやる事は分かりません.ちなみに”そもそも不要なICチップ”を搭載させるために,我々はパスポート申請時に従来より1,000円高く支払わねばならなくなります.5年で11,000円(12歳以上),10年で16,000円です.申請時に必要な写真も従来の規定から変更があります.申請用紙も変わります.すべてにおいてお金と資源の無駄遣いであるという印象を強く受けます.この辺りの情報は外務省や在NY総領事館のウェブサイトに詳しいのでご覧ください(関連リンク参照).
20日からICパスポート受け付け
パスポート(旅券)の偽造や不正使用を防ぐため、集積回路(IC)チップが入った新パスポートの申請受け付けが二十日から始まるのを前に、県内でも着々と準備が進められている。県庁をはじめ県内六カ所の窓口では、IC内の情報を呼び出す端末を設置し、後は申請開始を待つばかりだ。発券が最も早い県庁では、五日間でパスポートを取得でき、早ければ二十七日にもICパスポートがお目見えする。(Web東奥より)
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